日本酒を飲んでいるときについつい欲しくなるのが「珍味」。有名なものだと塩辛や酒盗などがありますが、日本各地には有名ではない変わった珍味がたくさんあります。

今回は、そのなかでも思わず「そんなものまで食べられるの!?」といってしまいそうな、魚の「内臓」を使った珍味を6つ紹介したいと思います。

1. どんぴこ

東北地方で昔から食べられている伝統珍味で、"シャケの心臓"のことをいいます。味わいはレバーと似ているそうです。シャケ1匹に対して1つのどんぴこしかとれませんから、とても貴重ですね。

 

 2. モウカの星

こちらも東北地方の珍味で、"サメの心臓"です。ステーキや刺し身で食べます。真っ赤な色をしており、一見、血なまぐさそうに見えますが、臭みはなくコリコリとした食感です。

 

3. このわた

"ナマコの腸"を使った塩辛である「このわた」は、「塩ウニ(ウニ塩辛)」や「からすみ」と並んで江戸時代からの三大珍味といわれています。ちなみにこのわたという名前は「なまこのはらわた」を由来としています。(※はらわた=腸のこと)

 

4. くちこ(ばちこ)

くちこは"ナマコの卵巣"を塩漬けにして干したものです。バチのような形をしていることから「ばちこ」ともいわれます。奈良時代からの石川県能登地方の特産品として有名でした。ちなみに一枚のくちこをつくるのに必要なナマコの量は数十キロともいわれています。

 

5. フグの卵巣

"フグの卵巣"はそのままだと猛毒ですので、ぬか漬けにされます。数年にもわたって塩漬け・ぬか漬けし、毒を抜き、無毒化させることから、フグの卵巣の糠漬けは世界的にも珍しいとされ、「奇跡の食品」といわれるほどです。

ちなみに、新潟県の佐渡地方には「フグの卵巣の粕漬け」という似た珍味もあります。こちらも数年にもわたって塩漬け・酒粕漬けにして作ります。江戸時代のころから佐渡の各家庭で作られていたそうです。

 

6. カツオのへそ

「へそ」とはいっても「おへそ」のことではなく、"カツオの心臓"のことをいいます。静岡県でもカツオの町といわれる焼津の珍味です。味噌煮込みや串焼きなどにして食べられます。

 

今夜はフグの卵巣のぬか漬けをアテに、しっかりとした骨の太い味わいの日本酒をちびちびと…。想像しただけで、ヨダレが出てきます。魚の内臓ゆえに全国流通していないものもありますが、どこかで偶然見かけた際にはぜひ挑戦してみてくださいね。

(文/SAKETIMES編集部)