自社田にこだわる純米蔵

秋鹿酒造は明治19年(1886年)創業当時から自営田での米作りにこだわりを見せてきました。昭和60年から山田錦の低農薬栽培を始め、現在では11ヘクタールの自社田で無農薬栽培に取り組んでいます。自社田、もしくは契約栽培の山田錦、雄町米を使い平成15年度BYから全量純米酒蔵にもなっています

生酛の熟成酒ブランド

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山廃造りには古くから定評ある蔵でしたが、生酛造りは平成19年度から取り組み始めました。この奥鹿は主に生酛系の造りで3年以上熟成されて世に出るお酒に、初代蔵元の奥鹿之助から名づけられた蔵元渾身のブランドとなります。

秋鹿のすべてのお酒に共通するのはドッシリとした米の旨みと酸を感じながら雑味の少ない透明感を感じる味わい。この蔵は必要以上に米を磨きません。今や定番となった精米歩合8割の純米酒も十分に綺麗な味わいです。長年経験を積み重ねてきた良い酒米作りから、低精白でも濃醇さと軽快さを同時に引き出せるのでしょう。

冷やから燗まで奥深い味わい

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この生酛も鳥取県の田中農場生産の山田錦を60%まで磨いて醸されています。何と6年熟成にもなりますが、開封したときには乳酸由来のヨーグルトのような香りと熟成香を感じるものの、口に含むと重たさはなく、甘味酸味が溶け合う複雑な旨みと、柔らかな口当たりに驚かされにすると米の旨みがさらに増幅されます。

熟成酒ながら、さらに熟成させて良くなりそうなポテンシャルを持ち、冷やからお燗までオールマイティーに楽しめる、温度帯で味の変化をダイレクトに味わえるお酒だと思います。

 

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