肥後でいち早く清酒醸造に取り組む

sake_zeiyosaisai1 (1)

幕末の慶応3年(1867年)に蔵元初代吉村太八氏が創業します。銘柄は1899年(明治22年)正月、酒蔵に鷹が舞い込んだことに、瑞兆を感じて初代蔵元が名付けたといわれています。

熊本県内ではいち早く清酒の醸造に取り組んだ蔵です。江戸時代後期まで熊本には醸造技術を持つ清酒の造り酒屋は不在で、県内では「赤酒」が出回っていました。赤酒は酒の保存性を高めるため、木灰を醸造途中に投入します。

酒の色が赤茶色で甘くとろみがあり、熊本では正月の屠蘇、慶事に呑まれたほか、みりん代わりの調味料として重宝されています。瑞鷹は現在でも赤酒ほか純米焼酎、麦焼酎、醤油なども生産しています。

八代市とタイアップの地産地消の酒

菜々はまさに地元に根差した酒といえます。

使用している酒米は八代市鏡町産の「吟のさと」です。熊本の名産のひとつに畳表の原料となるイグサが挙げられますが、「やつしろ菜の花部会」が、そのイグサの休耕畑に菜の花を植え、収穫後に残った茎や葉を埋め込んで除草剤が不要となる健康な土を造り、加えて菜種油を絞った残り粕も肥料として使用し、そこに酒米を植えこみました。これを「菜の花米」といいます。

水田に引いている水は球磨川の伏流水と、まさに作り手のこだわりが生んだ、お米を使用しているのです。

肉料理にもあう純米酒

sake_zeiyosaisai2 (1)

その菜の花米を65%まで精米し、熊本酵母を使用している味わいは、純米酒らしいふくらみ、柔らかさがありながら、雑味は感じず、きれいな酸を出しているので後口はしっかり切れていきます。米の質の良さを感じることができます。味幅の広さを感じますし、冷やからお燗まで楽しめる仕上がりとなっています。

質の良い酸が出ているので肉料理などにも相性が良いでしょう。それこそ、熊本名産の馬刺を合わせて楽しんでもいいかと思います。2011年に「ワイングラスで飲むおいしい日本酒」コンテストで金賞を受賞しています。

日本酒の魅力を、すべての人へ – SAKETIMES