こんにちは、日本酒指導師範&酒伝道師の空太郎です。

都内の有力酒販店などが主催する「SAKE COMPETITION 2015」の結果が14日午後、都内のホテルで発表がありました。4部門でそれぞれ1位に輝いた蔵元さんの喜びの声をご紹介します。

純米大吟醸酒部門「会津中将」(鶴乃江酒造)

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「昨年のSAKE COMPETITION で同じ会津若松市内の宮泉銘醸さんが1位を取りました。

このため、はせがわ酒店の長谷川社長から「おい、悔しいだろう」と活を入れられました。
なので、今年こそはという気持ちはありました。

ただ、取ろうと思って取れるものでもないので、正直、驚いています。

1位になれたのは醪を搾るタイミングが結果的に良かったのだと思います。

評価の重要なポイントになるとは思っていたので、いつ搾るかで数日間は悩みに悩みました。

でも、今回が最もタイミングがよかったのか、あるいはもっといいタイミングがあるのかは、再現できないので、難しいですが。

純米大吟醸部門で1位は嬉しいですが、高いお酒なので、みなさんにどんどん飲んでもらうというわけにはなかなかいきません。

そこで、純米大吟醸酒造りで獲得した技術を純米酒にも注いでいきたいと思います。

純米吟醸酒部門「勝山」(仙台伊澤家勝山酒造)

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「お酒造りは毎年、造りを始めるにあたって、何かしらの改良をしようと試みるんですが、

今回は純米吟醸の造りがいい方向に修正できた結果だと考えています。

1位を取ったお酒の米は兵庫県産の山田錦ですが、宮城の酒蔵は地元産の飯米でおいしい純米酒を作る技術があります。

うちの蔵でも酒造好適米でなくても、おいしい日本酒を造れるという自負があります。

来年以降は宮城県産の米で受賞ができるようしっかりやります。

純米酒部門「磯自慢」(磯自慢酒造)

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「SAKE COMPETITION は今年で4回目で、1回目の2012年には純米吟醸で1位をいただきました。

そのときのお米は兵庫県産の山田錦でした。

うちの蔵では使うお米のほとんどが山田錦で、それが今回は雄町の純米酒で1位をいただけたことが心より嬉しいです。

雄町というお米は非常に軟らかくて、醪の中で溶けやすいです。

そのままにすると味がたくさん乗ってきてしまうので、いかに、雄町を溶けさせすぎないかと気を使います。

原料処理では限定吸水で、秒単位で水に漬けます。

また、雄町に適した酵母の選択というのも重要です。

これからも毎年工夫を重ねて、素敵な雄町のお酒をみなさんに飲んでもらいたいです。

FREE STYLE部門「五橋」(酒井酒造)

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「このお酒は木桶で造っています。

ホーロータンクではなく木の桶なので、「気(木)のせいだけど、旨い酒ができるんです」と洒落て言っています。

木は表面に微細な凹凸があって、そこに酵母などの微生物が棲みついて、醪に出てきたり、隠れたりします。

生酛(もと)の酒なので、これに天然の乳酸菌が反応して、雅な香りややんちゃな香りなどいろいろな香りや味わいを作ってくれます。

木の香りが余りでてしまうと、評価を下げますので、そこは十分に抑えて仕上げることに成功したと思っています。」

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SAKE COMPETITION は今回で4回目(4年目)ですが、今回は上位に入った酒蔵が比較的全国にばらつきました。

それだけ、酒蔵の実力が上がってきて、競争状況は激しくなっているようです。

おかげで私たちはよりおいしい日本酒を楽しむことができるのですね。

今回の表彰対象になったお酒の多くは市販酒として手に入れることができるので、みなさんも是非、買って、呑んでみませんか?

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