スペイン、マドリードでSAKETIMESライターとして記事を書かせていただいてる大倉です。

私は日本食文化には欠かせない日本酒が、スペインの方にどのように受けているのか、みなさんにお伝えできればと思っています。

前回の「パブロ・アロマール氏にインタビュー【前編】」に引き続きスペインの日本酒伝道師 パブロ・アロマール氏のインタビュー後編を紹介させていただきます。

前編で紹介させて頂いた日本酒イベント後の活動。

sake_g_spainatnihonsyu1 (1)

大半の顧客はスペインにある日本食系レストランであるが、他の諸外国(イギリス、フランス、アメリカ、アジア諸国)に比べると、スペインにある日本食系レストランは断然少なく、分布も大きな都市(マドリード、バルセロナ)に固まっている、消費率も比べ物にならない。

『この調子では日本酒がスペイン全国に広まるまでにどの位の期間が必要になるのか、気が遠くなりそうだった。そこで、今スペインには世界に誇るレストラン(El celler de can roca, Mugaritz, Arzakなど)が数多くあることに注目し、和食系レストランに販売するのと並行に、そのようなレストランに日本酒を販売することを試みた。

例えば、Mugaritzのコースメニューにペアリングとして日本酒をサービスするようになり、Diverxoという地中海創作レストラン(ミシュラン3つ星)でも私の日本酒を扱っていただいている。まだ、規模としては少ないですが、このようなビックなレストランに扱って頂けると日本酒に触れる機会が増え、将来が明るいです。

これは秘密で教えてもらったのですが、レストランのお客の中でスペインの著名人(スポーツ界、政界、芸能界)にも日本酒を多く飲まれていると話は聞いております。例としてはレアル マドリードのCR7、Modric、元スペイン国王(Juan Carlos)、ハリウッド俳優のアントニオ バンデラスなどです。

多分、今スペインでは新しい飲み物(日本酒)を開拓し始めている時期に入ったと思う。

あと、大きな問題は価格競争。日本酒の場合は輸入アルコール飲料になるので、どうしてもスペインワインと比べると値段が高くなってしまう。そこで今の段階でお客様に提唱しているのは、値段で勝負するのではなく日本酒に備わる神秘性、クオリティー、そしてまだ未知の世界の新しい商品を武器とし、お客様と対応しています。』

近い将来やりたいこと。

sake_g_spainatnihonsyu2 (1)

『これからはよりたくさんのスペイン人に日本酒に触れてもらえる機会を作っていきたいと思っています。アイデアとしては、アメリカ等で行われているjoy of sakeのようなビックイベントを、いつの日かスペインで開催したいと思っています。とにかく今は日本酒に気軽に触れることのできるスペースを作り上げること、これがメインですね。』

今回のパブロ氏のインタビューを通して、スペインでも日本酒は世界のSAKEになりつつあると思います。今回はパブロ氏をインタビューしましたが、スペインにはもっと日本酒伝道師が私たちの知らない場所で活躍していると思います。私はそのような人たちをみなさんに紹介していきたいと思います。

 

【関連】 パブロ・アロマール氏にインタビュー【前編】
関連】 スペインの和食レストラン「リカルド・サンス氏」にインタビュー【前編】
【関連】 スペインの和食レストラン「リカルド・サンス氏」にインタビュー【後編】

日本酒の魅力を、すべての人へ – SAKETIMES