こんにちは、SAKETIMES編集部です。8月に入り夏真っ盛りです。

SAKETIMES編集部では「夏こそ燗酒!」を推奨しておりますが、あまりに暑すぎるとキンキンに冷えた日本酒を呑みたい!と考えるのも人情。

近年、全国の地酒蔵も積極的に夏におすすめする日本酒を、ラベルや味わいを工夫して「夏酒」として展開するようになりました。各蔵は5月後半ごろからこの時期まで、胃腸が弱りやすい夏でも飲める「夏酒」を送り出しています。

夏酒の特徴としては、①低アルコール度数 ②酸を効かせて切れ味良くしてスッキリとした飲み口、が挙げられますが、それぞれ個性を持つ夏酒を提供する蔵も増えてきています。そこで、今夏に呑んでみたい夏酒の一部を紹介したいと思います。

開運 涼々 特別純米酒(土井酒造場 静岡県掛川市)

能登杜氏の四天王のひとり、波瀬正吉杜氏を擁し銘酒を生み出してきた静岡酒を代表する蔵です。波瀬氏亡き後も、その志、技術を継承し、良酒を醸しています。涼々は定番の純米酒とは違い、静岡酵母NEW-5を使用。生詰めでフレッシュ感を残しています。

開運らしい、綺麗さとしっかりした味わいを踏襲しながら、キリッとした爽やかな酸が味を引き締め、軽快でそして涼やかな余韻を残します。通常の開運より明らかにスマートな飲み口です。

鍋島 SUMMER MOON 吟醸酒 (富久千代酒造有限会社 佐賀県鹿島市)

芳醇な旨みと香りで人気の鍋島の夏酒。山田錦を50%まで磨いた贅沢な吟醸造りです。香りは穏やかながら非常にフルーティーで、飲み口も青りんごや白ブドウのような爽やかさ。

旨みタップリ華やかな純米系の鍋島とは違う控えめなテイストです。酸を効かすというより、切れ味の良い辛口酒になっています。ラベルも夏の月夜を連想させる雰囲気あるラベルとなっています。

玉川 Ice Breaker 純米吟醸無濾過生原酒(木下酒造 京都府丹後市)

イギリス人杜氏のフィリップ・ハーパー氏が銘酒を醸す蔵。こちらは個性派の夏酒です。スッキリと仕上げるのではなく、酸は効かせながらも、無濾過生原酒でガツンとインパクトのある味わい。

アルコール度数は17度以上と、オンザロックで楽しむ仕上がりになっています。最初のインパクトのある味わい、氷が融けた後の穏やかな味わい、時間ごとに違う表情を楽しめます。スカイブルーの瓶、ペンギンラベルも清涼感を引き立てています。

三井の寿 夏純吟 Cicala(井上合名 福岡県三井郡大刀洗町)

Cicala(チカーラ)とはイタリアでセミの意味。木に止まっているセミを表すラベルデザインになっています。リンゴ酸を高生産する酵母を使用し、非常に果実味の感じる酸を出しています。

まさに「甘酸っぱい」ワイン系の飲み口。しかし、味わいは意外と太く、米の旨みもしっかり出しています。この特徴的な酸が冷えてキリッと、常温では甘味が増し、膨らみを感じることができます。

白瀑 サマーど 純米生にごり酒(山本合名 秋田県)

常識に捕らわれず先進的な試みを続ける酒蔵。ラベルも個性あふれるものばかり。このもろみをタップリ入れた「ど」シリーズもラベルに「ど」の文字を強調した一目見たら忘れられないインパクトがあります。

「サマーど」は瓶をスカイブルーにして涼しさ演出。従来の「ど」にごりをさらに呑み易くするため、従来の秋田酵母に「協会901号酵母」をブレンドしてスッキリ、切れ良く仕上げられています。爽やかさと活性にごりの発泡感を存分に味わえます。

【関連】スタミナ×日本酒!?肉料理にも合う!富山の夏のにごり酒で夏バテを吹き飛ばせ!
【関連】夏を乗り切る凍結酒をご紹介!

日本酒の魅力を、すべての人へ – SAKETIMES