こんにちは!SAKETIMESライターの永木三月です。

普段はブログを拠点にお店や製品のレビューを紹介している他、定期的に「おいしいもの味覚鑑賞会」という名前で、食べ比べをテーマにした会の開催を行ったりと、テイスティングの楽しさ、おもしろみを伝える活動を行っています。

前回は「新酒鑑評会とは?」を書かせていただきました。 こちらでは、日本酒と絡めて、魅力的な味わいをたくさん発信していけたらと思っています。

はじめに——「季節」と「日本酒」

みなさんは食事や料理のときにを感じることがありますか?

保存や輸送の技術が発達した現代では、多くの野菜、魚、肉がオールシーズンで手に入ります。高級なお店であれば、季節を感じさせる食材や料理を使った演出をすることが当然かもしれませんが、多くの人にとって旬は贅沢で、そして縁遠いものになっています。

日本酒となると、そうした生鮮食品にも増して、季節を意識させることは少ないのではないでしょうか? 季節と絡めた楽しみ方が一般になされているのはワインのボージョレ・ヌーボーくらいのもので、日本酒含め他の多くの酒はあまり旬に着目した飲み方が知られていないようです。強いて言えば、冬には熱燗、夏には冷酒が楽しまれるというような、生活の必要に応じた楽しみ方が多少浸透しているくらいでしょう。

もちろんそれも味わい深い飲み方ではありますが、日本酒自体も季節によって味が変わって行きます。いつでも同じお酒が手に入るように思われがちな日本酒にも、季節ごとに味わいの違いがあるのです。

今回は、そんな旬のお酒の味わいについてお伝えします!

旬の日本酒の代表—搾り立て、夏の生酒、ひやおろし

多くの酒蔵で、日本酒は秋に採れた新米を原料に真冬から春先にかけて造られます。

もちろん、環境を人工的に整えることで1年中作ることも技術的に可能ではあるのですが、日本酒は冬の寒い時期に仕込むのが一番おいしいとされており、多くの酒蔵がそのようにしてお酒を仕込んでいます。

そうしてできた春のフレッシュなお酒を「しぼりたて」、それを保存しておいたものを夏場に出したものを「夏の生酒」、一度火入れしておいたのを保存しておいて秋に出すのを「ひやおろし」とそれぞれ呼んでいます。

古酒などを考えるとわかりやすいですが、一般的にお酒は、時間を経ることでよりマイルドで深いコクのある味わいになります。古酒まで行ってしまうとあまり季節を感じることはできないですが、1年の中で季節を経るだけでも、そうした変化がお酒の味に影響を与えていきます。特にそれを楽しめるお酒が、フレッシュな味わいが魅力の「しぼりたて」、春先に出来たお酒が少し丸くなった味わいの「夏の生酒」、およそ半年から1年を経てまとまりの出た味を楽しむ「ひやおろし」である、というわけです。

日本酒の旬は、冬に作られるお酒が1年を通して徐々に熟成される過程から成り立っています。

熟成もワインなどに比べて速いため、旬を味わうにはもってこいの酒であるとも言えるかもしれません。

春の時期ならではの日本酒「しぼりたて」

年度末も近づいて暖かな日も増えてきました。ややシーズンが終わりに近づいてはいますが、今楽しめる旬のお酒は「しぼりたて」でしょう。

しぼりたてを飲むときは、「冷たいところで保存する」「早めに飲み切る」ことが大事だと言われます。日本酒では、瓶を開けてからの変化を楽しむという楽しみ方もありますが、しぼりたてはその出来立てのフレッシュさを楽しみましょう。春野菜など旬の食材と合わせてもおいしいです。

最後に

いかがでしたでしょうか?

旬の日本酒に関しては、その季節には様々なイベントも行われています。

今回ピックアップしたしぼりたてに関して言えば、門前仲町や錦糸町で「しぼりたて祭り」というイベントなどが開催されていたようです。

この記事を見て興味を持ってくださった方は、ぜひ今後の旬を楽しめるイベントをお見逃しなく!

みなさんの、さらに豊かな日本酒ライフに貢献できれば幸いです!

「おもしろそう」「おいしそう」、そう思ったら、シェアしてもらえると嬉しいです!

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