ビタミン豊富で疲労回復に効果があると言われるゴーヤー。暑い時期こそ特に美味しく感じる、夏の晩酌にぜひとも添えたい食材です。

かくいう筆者もこれが大好物。幾度となく出かけた沖縄で、地酒(泡盛)とともにゴーヤーを楽しんできました。

そんなゴーヤーを日本酒とあわせてみましょう。

大きな魅力である鮮烈な苦み。さて、日本酒との相性やいかに。

苦みを楽しむゴーヤー料理

ゴーヤーを使ったレシピのなかには、いかに苦みを緩和するかという点において、さまざまな工夫を講じているものがあります。しかし今回は、酒との相性を確かめながら楽しむため、持ち味である苦味をあえて生かしましょう。

1品目 おひたし

【材料】 ※分量はお好みで

  • ゴーヤー
  • 鰹節 適量
  • 醤油 or ポン酢

【作り方】

イ. ゴーヤーを縦半分に切る
ロ. 綿(種のある、白くふわっとした部分)をスプーンでかき取る
ハ. 沸騰させた湯で1分ほど茹でる
ニ. 冷水につけて粗熱を取る
ホ. お好みの厚さ(2~3ミリが食べやすいでしょう)に切り、盛り付ける。鰹節を添えて、醤油かポン酢でどうぞ。

2品目 サラダ

【材料】 ※分量はお好みで

  • ゴーヤー:1品目と同じように茹でたものを、2~3ミリの厚さにスライスする
  • 大根:2~3ミリの短冊切りにする
  • ツナ缶(フレーク):汁気を切っておく
  • パプリカ(赤):薄くスライスする
  • 塩(塩もみ用) 適量

【作り方】

イ. ゴーヤー、大根をそれぞれ塩もみして、出てきた水気を切っておく
ロ. 材料をすべて和える

3品目 チャンプルー

【材料(2人分)】

  • ゴーヤー 半身:数ミリにスライスする
  • 豚ベーコン 100g:厚めにスライスする
  • 木綿豆腐 半丁(150~200g):水気をしっかり切っておく
  • 溶き卵 1個
  • 塩コショウ 適量
  • 酒 小さじ2
  • 和風のダシ粉 小さじ1~2
  • 鰹節 適量

【作り方】

イ. フライパンで油を熱し、ベーコンを炒める ※中火以下でゆっくりと脂を引き出す
ロ. ベーコンが少しこんがりしてきたらゴーヤーを加え、塩コショウをふって炒める
ハ. ゴーヤーがしんなりしたら豆腐を手で崩し加え、酒とダシ粉をふって炒める
ニ. 豆腐に火が通ったら、溶き卵を加えて絡める ※具材に直接かからないようにフライパンの横から流し入れ、火を通しながら具材を混ぜ合わせる
ホ. 仕上げに鰹節を飾り、完成

山和の夏酒で、夏野菜を楽しむ

「山和 特別純米 中取り原酒 Rock」(山和酒造店/宮城)

「山和 特別純米 中取り原酒 Rock」(山和酒造店/宮城)

夏には夏の日本酒を......という発想で選んだ1本。ロックでも楽しめる、いかにも夏向きな商品ですね。

控えめと言うべきか、柔らかと言うべきか、ふんわりと甘い香りに誘われてひと口。意外にキリッとした口当たり。香味のバランスも良く、瑞々しさも湛えています。

清涼感を前面に出してくる夏酒が多いなか、厚みのある味わいが特徴的でした。また、口当たりの印象をそのままに、余韻もキリッとしていて、食中酒にも好適のよう。

まずは、ゴーヤーの鮮烈な苦みがそのままに味わえるおひたしから。酒は若干の酸を帯びつつ、まろやかさを高めました。淡麗な吟醸酒ならば、こうはいかなかったでしょう。当初はゴーヤーで酒が飲めるのかと半信半疑でしたが、ゴーヤーの苦味・渋味と「山和」はとても良く合います。酒の懐深さを再認識しました。

次は、苦みがいくらか緩和されたサラダと。酒の甘み・旨味が増幅され、さらに美味しく感じます。同時に、ゴーヤーの旨味を強く感じるような気がしました。

「舌がゴーヤーの苦みに慣れてきたのだろうか」

そんな気がして、再びおひたしを食べてみると、やはり苦い。この美味しい晩酌は「山和」の力によるものと確信しました。

最後はチャンプルー。豚ベーコンの旨味を身にまとったゴーヤーが美味。酒とも実に良縁ですね。「山和」のバランス良い味わいと、豚肉やダシ粉、鰹節の旨味。合わない理由を探す方が難しいというものでしょう。酒はよりいっそうキレを増したように感じました。

お気に入りの琉球グラスを用意し、ロックを試してみます。

ゆるりとグラスを回してひと口。素直に美味しいと感じました。アルコール度数が16度と、原酒にしては若干軽めだったので、「少しでも水分が加わると、薄く感じてしまうのでは?」という先入観を抱いていましたが、それは無用のものに。

酸味と旨味が溶け合い一体化したそれは、実に飲みやすい。すっと喉を通っていきました。ロックにすることで味わいがシンプルになったように思えましたが、複雑さはしっかり漂っています。酒の本分を忘れていないところがいいですね。

おひたしやサラダと日本酒の組み合わせも良いものでしたが、チャンプルーとの相性はまさに良縁。ゴーヤーの新しい楽しみ方を見つけることができました。

(文:KOTA/編集:SAKETIMES)

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