4月に開催された、中田英寿氏プロデュースの大人気イベント「CRAFT SAKE WEEK 六本木」。そこで出会った、福島・大七酒造の「箕輪門(みのわもん)」と「皆伝(かいでん)」を紹介します。

260年以上、生酛造りに一筋

自然豊かな福島県二本松市に蔵を構える大七酒造。最大の特徴は、宝暦2年(1752年)の創業以来、一貫して生酛造りをおこなっている点でしょう。

長年にわたって続けてきた生酛造りで研鑽を積んだ技術と品質の高さは、国内外で高い評価を得ています。生酛造りのパイオニアとして活躍している佐藤孝信杜氏は、2016年に「現代の名工」にも選ばれました。

佐藤杜氏は、生酛造りの純米大吟醸で2度にわたって全国新酒鑑評会の「金賞」を受賞。鑑評会の歴史に金字塔を打ち立てました。また、熟成を経て大きく成長する風味豊かなお酒は、サミットや欧州王室晩餐会など世界の檜舞台でも称賛を受けています。

独自の精米技術"超扁平精米"

大七酒造では、洗練された生酛造りを支える独自の扁平精米技術"超扁平精米"を実践しています。

酒米は、酒造りに適している心白が中心部分にあり、外側に含まれる成分は雑味となることがあるため、"球状"に精米するのが一般的。しかし、従来の普通精米(球状精米)では、お米の先端部分から磨かれていくため、不要な部分を残したまま心白まで磨いてしまうことがありました。

そこで考案されたのが、表面から均等の割合で磨いていく原形精米です。しかし、この方法でも心白以外の部分が残ってしまうなど完璧ではなかったため、さらに研究が進み、扁平精米(等圧精米)が開発されました。

大七酒造は、扁平精米の実用化に向けていっそうの研究を重ね、不要部分の極小化に成功。さらに精米に手間がかかりすぎる扁平精米の弱点を克服し、"超扁平精米"を確立したのです。

技術の粋を尽くしたお酒

まず、「箕輪門」を1杯いただきました。「CRAFT SAKE WEEK 六本木」では、きき酒師をはじめとする日本酒の専門家がお酒にまつわる解説をしてくれます。「箕輪門」は、生酛造りの純米大吟醸酒。

超扁平精米で山田錦を磨き上げたこのお酒はすっきりした飲み口です。旨みがぎゅっと詰まっていて、上品な香りと、絹のような舌ざわりは"エレガント"という言葉がぴったり!

心地よい余韻に浸りながら、次に「皆伝」を。こちらは生酛造りの純米吟醸酒。

リンゴやバナナのような華やかな香りに、森林をイメージさせる若葉の香りが見え隠れしていました。フレッシュな香りと丸みのある味わいは、とても美味しくゴージャス。柔らかな飲み口は、女子もうっとりな1杯でした。

昔ながらの造りを続けつつ成長を止めない大七酒造。今後の日本酒も注目していきたいです。

(文・取材/しおグル)

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