古くから続く伝統を大切にしながらも、同時に新しいコンセプトやデザインにもこだわり、今の時代に合った地酒の魅力を発信する新潟・今代司酒造海外のデザイン賞を総なめにした「錦鯉」など、デザインの美しさや新規性で話題になることの多い蔵ですが、実は"酒蔵そのものの見せ方"にも力を入れているんです。

年間3万人近くもの人が訪れ、日本酒の虜になっていくという今代司酒造の酒蔵見学とは、一体どのようなものなのでしょうか。現地に足を運び、その実態を明らかにしていきます!

日本随一の酒どころ・新潟の玄関口として

「新潟」と聞いて多くの人が思い浮かべるものは「米」そして「酒」でしょう。それもそのはず、新潟県は水稲の作付面積が全国1位という屈指の米どころ。そして、日本酒を造る酒蔵の数が全国でもっとも多い県なのです。そのため、新潟を訪れる旅行客の多くは「食」を求めてやってきます。

そんな新潟県の主要都市・新潟市はもともと港町として栄えた地域で、江戸時代から全国の物資や人が集まっていたそうです。古き良き日本の面影を残す県下最大の繁華街「古町」エリアは、大小さまざまな飲食店が所狭しと軒を連ねる、酒好きにはたまらない場所!さらに運が良ければ、艶やかな芸妓(げいぎ)さんを見ることができるかもしれません。

新潟市内に蔵を構え、2017年に創業250年を迎えた今代司酒造があるのは、古町から信濃川を挟んだところにある沼垂(ぬったり)という地区。すぐれた水質の伏流水をもつ阿賀野川と物資運搬の要路だった栗ノ木川の影響で発酵産業が活発になったこのエリアは「発酵の町」とも呼ばれています。

栗ノ木バイパス沿いに蔵を構える今代司酒造
今代司酒造が酒蔵見学を始めたのは、昭和57年。高速道路やバイパスができたばかりの当時、ショールームに来たお客さんから「せっかくだから酒蔵も見せてよ」と言われたのがきっかけなのだそう。

中心街から離れた場所にある酒蔵が多いなか、新潟駅から徒歩で行けるという好立地にある今代司酒造。ロケーションの良さを活かし、日本酒初心者の方にも門戸が開かれた、新潟清酒の"玄関口"として、その役割を果たしています。

これぞ温故知新!新しさと伝統が融合する酒蔵

新潟駅から東に歩くことおよそ15分。栗ノ木バイパス(国道49号)沿いに今代司酒造が見えてきました。蔵の前を通るバイパスはもとは栗ノ木川という水路だったため、物流拠点としての利便性からこの場所に蔵を構えたのだそう。

都市部の酒蔵といっても、その佇まいは本格的。建屋は明治時代に建てられた歴史ある蔵です。

懐かしさのなかにもモダンさを感じさせる蔵の外観

懐かしさのなかにもモダンさを感じさせる蔵の外観

それではさっそく、中に入ってみましょう!

ひと足踏み入れると、驚くほど洗練された空間が広がっています。

まず目を奪われるのは、台所をリノベーションした売店「厨(くりや)」。ミュージアムショップを思わせるスタイリッシュな雰囲気がすてきですね。さっそくお買い物、といきたいところですが、楽しみは後にとっておきましょう。

「厨」を抜けると、立派な暖簾が出迎えてくれます。

今代司酒造の酒蔵への暖簾

暖簾をくぐって奥に進むと、そこには歴史ある美しき酒蔵の姿がありました。

重厚なしめ縄と、酒の神様が祀られているという三輪明神の杉玉がかけられた本蔵の入り口が印象的。凛とした雰囲気を感じることができます。

三輪明神の杉玉が掲げられた本蔵の入り口

奥に進むと、ひと昔前に使われていたという酒造用具の展示コーナーが。時代を感じる、趣のある空間になっています。

今代司酒造の廊下

その隣にあるのは、洗練された酒瓶のディスプレイ。息を呑むような美しさに、ここが酒蔵であることを忘れてしまいそうです。

美しくディスプレイされた今代司酒造の商品ラインナップ

記念写真のためのフォトコーナーもありました。まるで蔵人になったような、ここでしか撮れない旅の思い出を残すことができますよ。

今代司酒造の酒蔵見学のフォトコーナー。蔵人になった気分が味わえる

法被を着て一斗瓶を持てば、気分はもう蔵人!

蔵人が案内する、大好評の酒蔵ツアー

直売店木津店長

酒蔵の内部を案内するのは、今代司酒造の9代目蔵元やスタッフ。自身の経験をもとにしたウィットに富んだ解説や造り手ならではの小話で、蔵を訪れる日本酒ファンを楽しませています。

身近な例え話を出しながらの説明はとてもわかりやすく、初心者もどんどん話に引き込まれます。もちろん、マニアックな質問にも答えてくれるので、だれでも楽しむことができますよ。

酒蔵見学の最後は、今代司酒造の美酒10種類以上がワンコインでテイスティングできる試飲タイム!せっかく蔵を訪れたら、飲み比べを楽しみたいですよね。うれしいサービスです。

レギュラー商品の「天然水仕込み純米酒 今代司」の写真

レギュラー商品の「今代司 天然水仕込み純米酒」は、米の旨味がしっかり感じられコクのある味わい。パッケージに描かれた「井ゲタ」には、酒にとって命とも言われる"美しい水の井戸"、そして"人と人が手を取り合う"という意味が込められており、今代司酒造が長年大事にしてきたものを象徴しています。

「純米大吟醸 今代司」の写真

「今代司 純米大吟醸」は、上品な甘みが感じられる逸品。香りが強すぎないので、食中酒としても楽しめそうです。そのほか、季節限定の商品や、麹でつくるノンアルコールの「麹・発酵甘酒 麹」など、さまざまな表情をもつラインアップを一度に楽しむことができました。

「錦鯉」が世界的なデザインコンテストに入賞した実績もあってか、外国からのお客さんも多く訪れるという今代司酒造の酒蔵見学。5名以下であれば予約なしで参加できる手軽さも魅力です。

温故知新の美しい空間と案内役付きの酒蔵ツアー、そして満足度十分のテイスティング。蔵を訪れた人の満足度は推し量るまでもありません。

日本酒を好きになるきっかけをつくりたい

今代司酒造が酒蔵見学に力を入れるのは、日本有数の酒どころ・新潟県の玄関口にいる酒蔵として、"日本酒への入り口"を担う使命感があるからなのだそう。

日本酒を美味しく飲みながら地元の料理に舌鼓を打つことのできる店はたくさんあっても、酒造りをしている蔵に足を運ぶのはなかなか容易ではありません。だからこそ、主要都市の駅から徒歩圏内にある足を運びやすい今代司酒造は、お客さんに「日本酒をもっと好きになってもらう」ための酒蔵見学に全力を注いでいます。

伝統のみに頼るのではなくスタイリッシュな空間を設え、試飲サービスで酒そのものを存分に味わってもらい、最後は買い物までできてしまう。お客さんを楽しませ満足させるための工夫がつまった今代司酒造の酒蔵見学。今代司酒造が"はじめての酒蔵"という方には、これ以上はない素晴らしい体験になるでしょう。

直売店で大人気の「酒ガチャ」

直売店で大人気の「酒ガチャ」。細部までお客さんを楽しませる工夫でいっぱいです

時代にあわせて、酒質やデザインだけでなく、酒蔵そのものを進化させている今代司酒造。新潟を訪れる際は、ぜひ一度足を運び、その魅力を体験してください。

(取材・文/佐々木ののか)

今代司酒造 酒蔵見学ツアー詳細

  • 見学料金:無料
  • 定休日:年中無休(ただし、12月31日~1月3日のみ休業)
  • 人数:1人から見学可能/定員40名様
  • 所要時間:約30分
  • 駐車場:駐車場完備(観光バス3台まで駐車可能)
  • 予約:1~5名様は予約不要。スタート時間に合わせて来場してください。
    6~40名様の場合は事前に申し込むか、電話・FAXから問い合わせをする必要があります。
  • 見学時間:9:00~/10:00~/11:00~/13:00~/14:00~/15:00~/16:00~
    (1日7回、12:00~はお休み)
  • 詳細はこちら


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