こんにちは、SAKETIMES編集部、酒匠の山口奈緒子です。

石川県の能登という地域で、「N-project」という活動があります。
これは、石川県内在住の大学生を中心に、酒造りを行うプロジェクトです。また、ただ日本酒を造るだけではなく、地元農家さんと連携した酒米の栽培、その酒米を使い地元の酒蔵との酒造り、商品のデザインやプロモーションまで、全てを学生が主体となって1つの商品を作り上げていくものです。
また、このプロジェクトは石川県の里山振興ファンドに採択されており、地元能登の農家・酒蔵のみならず、県をあげてこのプロジェクトを応援しているということです。

 

SAKETIMESでも、これまでN-projectの活動については5回にわたってお伝えしてきました。
1. 【学生が農業と日本酒、地域をつなぐ?】今、金沢の学生がアツイ!
2. 【地域で活躍する学生たち】学生が米づくりから関わる日本酒の商品開発
3. 学生日本酒プロジェクト第3弾!!~僕らが酒造りに関わる理由~
4. 学生日本酒プロジェクト第4弾!!~学生たちは、酒造りを通し企業から学ぶ!~
5. 【学生たちの日本酒事情】学生日本酒プロジェクト第5弾!!学生は日本酒のこと、どう思っている?

 

2014年の3月からスタートしたこのプロジェクトも、約1年という時を経て、ようやくお酒ができあがりました。そのレセプションパーティが金沢、東京の2会場で開催されました。SAKETIMESも後援という立場で協力させていただき、活動の情報発信に協力していきます。

 

1. レセプションパーティを金沢・東京で開催

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金沢・東京の2会場での開催は来場されたお客様の層が違い、別の角度からプロジェクトやできあがったお酒「Chikuha N」に対しての感想をいただくことができました。

金沢会場は、地元の学生中心でした。このプロジェクトが学生主体で行っているということもあり、若い世代に日本酒文化を伝えていく活動でもあるので、もろにターゲットの層ということになります。

学生たちの反応は非常によかったです。プロジェクトに関わる学生を「かっこいい」という声が上がっていました。日本酒=かっこいいものという印象がつきにくいなかで、ポジティブな印象を持ってくれたことは、とても良いことだなと感じています。

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また、学生たちのお酒を飲んでの感想も、みな「おいしい」と笑顔を浮かべていました。
東京会場では、飲食店や卸業者など、社会人の方も多くみられました。東京会場でも、お酒の味わいの評価が高かったと共に、石川県の能登から立ち上がったプロジェクトにとても興味を持ってくれていました。

 

 

2. N-projectの意義

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このN-projectには2つの意義があると思います。
1つめが「若い世代から若い世代へと伝える活動であること」、2つめが「地域の文化を汲んだ活動であること」です。

1つめの、若い世代から若い世代へと伝える活動であることについては、大学生が主体となって同世代に日本酒を広める活動であることが意義深いことだと思っています。
日本酒を語る世代というのは大学生より上の世代が中心です。それは、日本酒を主に消費している層が40代から上なので、仕方のないことでしょう。

人はなにかに共感を覚えるとき、より身近な人間からその良さを教えてもらった方がスムーズだと思います。上の世代から一方的に語られるのではなく、より自分ごととして考えられるからです。
ですので、大学生に訴えかけたい場合は、大学生からその魅力を語ることが大事だと思います。

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2つめの、その地の文化を汲んでいる活動であることも、とても意義深いと感じています。
全国各地で日本酒が造られている一方で、お米などの原料にその地域のものが使われていないなどは良くあることです。それが良い・悪いではないのですが、本来のそれぞれの場所で造られる「良さ」というのは薄くなってきているのではないかと思います。まだ流通が発達していなかったころは、地元の米、地元の水、地元の恩恵を受けて醸されるお酒であったはずです。
そして、地域の文化として発展してきたのです。

いまや、海を越え、世界で日本酒の製造が行われている時代です。アメリカで飲まれる日本酒の約8割が現地産だという話も聞きます。

これから先、さらに日本酒が世界各国で造られるようになったとき、日本で日本酒が造られる意味、また日本の能登で日本酒が造られる意味を見出だせなければ、どこで造っても同じお酒になってしまうと思います。
もう一度、各地域で造られる意味を考える必要があるのです。

ですので、N-projectで造られた「Chikuha N」のように、能登という地域で日本酒を造り、日本酒文化を発信していくこの活動はとても価値のある活動だと思います。

 

3. SAKETIMESで発信していくことの意義

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SAKETIMESでN-projectの発信をしていくことにはどのような意義があるのでしょうか?

それは、地域の活動で終わらせないことだと思っています。

若者に向けてせっかく日本酒文化を発信しようとしているのに、届かなかったら意味がありません。
このプロジェクトで届けたい若い層とSAKETIMESを見てくれている層は重なる部分があります。SAKETIMESで発信することで若者への認知を高めることができるのではないかと思っています。

SAKETIMESからの発信で、さらにこの活動を広げていきたいと考えています。

 

 

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