毎年開催されている「秋田の酒きき酒会&秋田の酒を楽しむ会」が、3月9日(水)にSHINAGAWA GOOS(東京都品川区)にて開催された。

年々人気が高まる秋田の酒を楽しむ会のチケットは昨年末にすでに売り切れ。開催される前年に売り切れるというのは史上初である。

酒販店や飲食店など業界関係者向けである第一部の「秋田の酒きき酒会」への参加人数はなんと約800名。第二部の「秋田の酒を楽しむ会」もあまりの問い合わせに50名分を増席し550名という、1日で1400人近い参加者が会場に集まった。このことからも近年の秋田の酒の人気の高さがうかがえるだろう。

真剣勝負の場「秋田の酒きき酒会」

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「秋田の酒きき酒会」は、一般客は参加できない業界関係者対象の会。

お酒を飲み込まなくてもいいように吐器があり、きき酒というスタイルで酒質を確認し仕事として取り組めるように配慮がなされている。

この場を楽しむというのではなく、酒蔵と酒販店・飲食店・業界関係者などの双方にとって顔を合わせて商談が行い理解を深めあえる貴重な時間のため、会場内はピリッとした独特の空気に包まれている。800人という動員数からもわかるが東京での秋田の清酒人気は目を見張るものがある。

楽しみが盛りだくさん!「秋田の酒を楽しむ会」

「秋田の酒を楽しむ会」は、なまはげや秋田舞妓が登場。毎年恒例の酒屋唄、抽選会など秋田のお酒が存分に楽しめるにぎやかで観ごたえ飲みごたえともにたっぷりの会である。

各テーブルには秋田名物の入ったお弁当が用意されている。
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数蔵の仕込み水も準備され、仕込み水の飲み比べもできる。
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毎年、日本酒業界で活躍されている方がこの会の乾杯の音頭をつとめている。今回、乾杯の音頭をとったのは、タレントで日本酒スタイリストとしても活躍されている島田律子さん。
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開会の挨拶・乾杯の後、各自でそれぞれ酒蔵ブースに日本酒を注いでもらいにいくのがこの会のいつものスタイル。

秋田県内には酒蔵(秋田県酒造組合の登録数)は38蔵あるが、今回ブースを構えていた酒蔵は26蔵。これほど秋田の酒蔵が一挙に集まるイベントはこれをのぞいて他にはない。各蔵の新酒や限定酒など、よりどりみどりのラインナップ。全て制覇はとてもできない数なので、どこの蔵からどのお酒を飲むか迷ってしまうほど。

◎今回の出品銘柄と参加蔵26蔵
・新政(新政酒造株式会社)
・天寿/鳥海山(天寿酒造株式会社)
・春霞(合名会社栗林酒造店)
・北鹿(株式会社北鹿)
・高清水(秋田酒類製造株式会社)
・山本(山本合名会社)
・秀よし(合名会社鈴木酒造店)
・飛良泉(株式会社飛良泉本舗)
・一白水成(福禄寿酒造株式会社)
・阿櫻(阿櫻酒造株式会社)
・雪の茅舎(株式会社齋彌酒造店)
・秋田誉(秋田誉酒造株式会社)
・秋田晴 (秋田酒造株式会社)
・出羽鶴/やまとしずく(秋田清酒株式会社)
・刈穂(秋田清酒株式会社)
・福小町/角右衛門(株式会社木村酒造)
・まんさくの花(日の丸醸造株式会社)
・天の戸(浅舞酒造株式会社)
・太平山(小玉醸造株式会社)
・ゆきの美人(秋田醸造株式会社)
・銀鱗(株式会社那波商店)
・一滴千両(秋田県醗酵工業株式会社)
・爛漫(秋田銘醸株式会社)
・両関(両関酒造株式会社)
・千代緑(有限会社奥田酒造店)
・奥清水(株式会社高橋酒造店)

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イベントの最中にはなまはげも登場し、一緒に写真を撮影することもできる。
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会も中盤に差しかかると、毎年恒例の酒屋唄の披露がある。披露するのは福禄寿酒造の伊藤美佐男工場長。
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引き続き、秋田舞妓の演舞もあり、会の盛り上がりは最高潮に。
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後半には参加蔵の清酒が当たる抽選会も。
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輸出に向けた新たなる酵母「AKITA雪国酵母」

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今回特設ブースにて消費者向けに初披露された酵母「AKITA雪国酵母」の清酒。

この酵母は、秋田県の総合食品研究センター醸造試験場で開発され、搾った直後のフレッシュさを持続し、品質に関して長期保存も可能。そのため、今後の輸出に向けた醸造に期待されている。

香りの特徴は、リンゴやメロンのようで華やか。従来よりも清酒の香味の変化が少なく、清酒もろみでの変化も少ないとのこと。通常、日本酒の香りは熟成により変化し、特にリンゴやメロンのような香りは変化が速いとされている。しかし、この「AKITA雪国酵母」は、香味のフレッシュな期間が長く、海外市場で想定される過酷な流通や貯蔵環境でも変化しにくい特性を持つ。

2015年7月から2016年6月の間に、秋田県内13蔵でこの酵母を使用した清酒が醸造されている。今後の秋田県の酒蔵での輸出に向けた取り組みにも注目だ。

下の写真は、左側3本のピンクの帯が、AKITA雪国酵母と同様の特性を持つ「UT-2酵母」使用の清酒。一番右側のブルーの帯が「AKITA雪国酵母」使用の清酒。
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ついに大阪での開催も決定!

昨年までは年に一度、東京のみでの開催であったこのイベントは、2016年より大阪でも開催されることが決定した。

大阪での開催は、業界関係者向けのきき酒の会のみ。残念ながら一般者向けの楽しむ会はないが、これは秋田県の清酒を全国に広める更なる一歩となるだろう。対象となる方(酒販店・飲食店・業界関係者)の方は足を運んでみてはどうだろうか。

◎「大阪 秋田の酒きき酒会」
日程:2016年6月29日(水)13時~16時まで(受付12時30分)
会場:大阪府大阪市北区芝田1-1-35 大阪新阪急ホテル
費用:無料
詳細はこちらから。

(文/三浦 環)

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