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飲酒へのリテラシー ~大学生の飲酒に対する意識実態と、飲酒事故防止のための提言〜

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大学や職場での歓送迎会など、お酒の席が増える季節になりました。
お酒を飲む機会が増えるとそれだけ飲酒による事故も増える可能性があります。

特に大学生の飲酒事故は、度々ニュースにもなり世間を騒がします。

サークルで先輩からお酒をすすめられて断れなかったり、なんとなくその場の雰囲気に流されて過度な飲酒をしてしまったりと、お酒の席でのコミュニケーションはなかなか難しいものです。場合によっては救急車で運ばれたり、ときには命に関わる事故につながってしまうことも。

限界を超えた飲酒によって死亡事故まで引き起こしてしまう大学生の飲酒実態。
実際に大学生が持つ飲酒に対する意識はどうなっているのでしょうか?

大学生を対象とした飲酒に対する意識調査のデータをご覧ください。

大学生の飲酒に対する意識調査

Q. 大学生はどんな時に飲酒するのか
1位 友人たちとのコミュニケーションツールとして 52%
2位 アルコール飲料が好きだから 40%
3位 習慣になっていて理由はない 14%

(202人の複数回答可による回答)(順天堂大学スポーツ健康学部生の飲酒意識調査 高清祐加氏・河合祥雄氏)

Q. 大学生の飲酒事故について問題だと思われるのは
1位 飲めないこと・飲まないことは、ノリが悪いなどのような風潮があること 74.6%
2位 飲酒を強要するような雰囲気があること 66.1%
3位 被害者の自己管理責任(酒量をコントロールしない、はっきり断らない等) 50.8%

(2013年7月3日実施のアンケート回答者59名・複数回答可より)(北海道大学なぜ大学生の飲酒死亡事故は無くならないのか・眞崎睦子著の論文より引用)

Q. 飲酒を強要されたことがあるか?
はい  57%
いいえ 43%

Q. あなたが飲酒を強要されたのはどんな立場の人か?
1位 大学の先輩 54%
2位 大学の友人 24%
3位 大学の後輩 10%

(複数回答可より)(順天堂大学のスポーツ健康学部生の飲酒意識調査 高清祐加氏・河合祥雄氏共著の論文よりデータを引用)
大学生の飲酒の実態にハッキリとあらわれている問題点は、その場の雰囲気に流されていることです。
集団のなかでは自分の意見・意思を持つことができず、間違っていることでも止めることができなくなります。そして、異論をはさむ人間を異端視する傾向が、結果的に大事故を引き起こすことがあります。

このような現状に対して、早い段階から自分の意志・意見を持てるように飲酒教育を行うことが必要だと考えます。
お酒は、料理と共に味わいながら嗜むのが本来のあるべき姿であり、無茶な飲み方をするのは明らかな間違いです。

また、多量な飲酒が死に繋がることを、大学生だけでなく社会人や大学教員も本当の部分で理解できていないことが見受けられます。今までに発生した飲酒事故に関しての検証が社会的に不充分なため、根本的な正しいお酒の飲み方について理解が進んでいないように思うのです。

大学生の飲酒事故は、同じようなケースが繰り返し発生しています。飲酒事故に関してしっかり検証が行われ、大きな社会問題として取り扱われていれば、事故の発生を抑えることができたのではないでしょうか。

そこで、日本酒の専属テイスターの立場から「本当に必要な飲酒教育」について検証したいと思います。

飲酒教育についての実態と提言

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1. 若年層に関する飲酒教育
各自治体、各教育機関を中心に学生に対してアルコールに関する教育が現行で行われています。

2. お酒の提供者に対する飲酒教育
利き酒師を認定しているSSI(日本酒サービス協会)では、2013年頃から本格的に飲酒教育に対する取り組みが行われています。
しかし、酒類を提供し、本来アルコールの危険性に関する教育が最も必要な飲食店においては、個店での取り組みはあっても全体としては不十分であると感じられます。

3. 日本酒テイスターが考える必要な飲酒教育のあり方
飲食店でお客さんのお酒の飲み方を実際に見ている立場からすると、本当に飲酒教育が必要なのは、ソムリエや利き酒師と呼ばれるプロ、酒類を提供しているお店です。アルコールの危険性に関する厳しい教育が必要であると考えます。そこで、大学・企業において成年者に対するアルコールの危険性に関する講習を健康診断時に義務付けることはいかがでしょうか。

 

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石黒 建大

SSI研究室専属テイスター。酒匠、日本酒学講師、SSIの日本酒地酒検証研究員、日本酒香味検証研究員、日本酒セールスプロモーション研究員。 第2回、第3回世界利き酒師コンクールセミファイナリスト。現在は大阪の某有名料理店に勤務。