今回から新シリーズとして
小難しいSAKE業界のニュースをわかりやすく解説する
「わかりやすいSAKEニュース」を始めます!

SAKEの業界では日々色々な情報が出てきますが、
「なんとなく、、なんとなくわかったよ、ウンウン・・・!!(結局わかってない)」
ということも多いですよね。

今回からそういったニュースを
わかりやすく書きなおして、SAKE業界への理解を
深めていってもらいたいと思います!

今回の記事は日経ビジネスの
アマゾンが獲得した“ゾンビ免許”
酒類販売制度に突きつけられた課題
の解説です。
(この記事は3600いいね!がつくほど注目された記事です)

Amazonがお酒の直販のために獲得した
「幻の免許」とは、何なのか!

 

1)そもそもお酒をネットで売るのに免許いるの?

ネット通販の大手Amazonが、
お酒の直接販売をはじめました。

「へ〜、Amazonならやりそうだよね、便利ぃ〜」
と思う人がいる一方で、
「え?Amazonがお酒の販売免許どうやってゲットしたの?今の法律だと無理じゃね?」
とSAKE業界の中では疑問を持つ人も複数いました。
(ここ重要です、なぜ業界の人が「えっ?」と思ったかはあとで説明します)

ここで、そもそもお酒を売るのに免許がいるのか、
どんな免許が必要なのかを勉強しましょう。

まず、お酒を売るには免許は必要です。
免許には
・お店で売るための免許(一般免許と呼びます)
・通販で売るための免許(通販免許と呼びます)
の2種類があります。

普通に酒屋さんとしてお酒を売るなら
一般免許だけで良いのですが、ネットなどを使って通信販売で売るには
通販免許が必要になります。

(ネットだけなら原則、通販免許だけでOK)

では、Amazonはこの2つの免許を取ったのか?と言えば、実は違います!

Amazonは1つの免許しか持っていません。
これが今回の話のミソです、大事な所。

まずここまでは「酒を店で売るには一般免許、通販で売るには更に通販免許が必要」
と、いうことを覚えておきましょう。

2)通販免許の販売制限と、Amazonがそれの制限を乗り越えた理由

今の法律では通販免許があればネット通販で売れますが、
実は売れる範囲が限られてしまうのです!

・「課税移出数量」が1品目でも3000キロリットル以上の国内酒造メーカーが製造・販売する製品は、通販免許では扱えない。

どういうことかと言うと、大手のビールとか酒造とか、
めっちゃ造ってるところのお酒は通販で売っちゃダメだよ、というもの。
(なんでダメなの?って話は長くなるのでまた別の機会で)
サントリーのビールなどは売れなくなってしまいます。

そうすると、おかしいですよね?
全国にネット通販してるAmazonが、大手のビールとか日本酒とか
売らないわけないし、実際売ってるし!それって法律違反じゃん!
と、なるわけです。

ここが、先ほど「重要です」といった、
免許について知っている人がもつ疑問です。

免許取って酒売るのは良いよ、けどさ、
全国には売っちゃいけないメーカーのお酒をAmazon売ってるじゃん、なんで?

もちろんAmazonは違法なことはしていません。
実は、酒販免許には、今では幻となってしまった「もう1つの免許」が存在するのです!!
(先に言えよって話かもですが、業界的には「その手があったかー!」なので同じ気持ちになって欲しくて周りくどい説明をしました)

3)Amazonが取得した幻の免許とは?

結論から言いますと、
1989年より前に取得される免許では、
さきほど説明した「一般免許」「通販免許」の区別がなく、
お店でも通販でも、どのお酒でも売ることが出来るのです!
(すごい免許ってことです)

考えてみれば、当時はまだ通販なんでありませんでしたし、
酒屋はその地域の個人や飲食店に売ることが目的でしたから、
わざわざ通販免許/一般免許〜と分ける必要がなかったから、当たり前ですよね。

Amazonはとある方法を使って、
今は取得できない、幻の免許を取得し、
全国どこでも、どんなお酒でも、通販で売ることが出来るようになったのです!

4)じゃあどうやって幻の免許ゲットしたの?

1989年以前ならいざしらず、
もう25年近く経っている今ではその免許を
「新規で」取得はできません。

なのでAmazonは、
既にその幻の免許を持っていて、かつ閉店している
お店を会社ごと譲り受けたのです!

具体的には、埼玉県のとある閉店をした酒屋さんの
会社名を「Amazon FB Japan」と変更し、
Amazonジャパンの社長であるジャスパー・チャン氏が社長になりました。
(おそらくAmazonがその酒屋さんにお金を払って、会社を譲ってもらったんでしょうね)

まとめると、
Amazonは「全国にいろんなお酒売りたい!けど今の免許じゃ無理だ!」となったので、
閉店状態だけど免許を持っている酒屋さんに「会社ごとください!」と言って、
会社の名前を変更し、「これでAmazonは全国に色んなお酒をガンガン売れるぜー!!」
となった、ということです。

5)同じことはやるのは簡単ではない!

こうやって言うと簡単に感じるかもしれませんが、

幻の免許を持っていて、なおかつそれを譲ってくれる酒屋を見つけることはなかなか簡単ではありません。
(免許はもってるけど、借金などの負債がある場合もあるので・・・)

Amazonは大手の卸業者と協力して
その酒販店を見つけたそうですが、一般の企業が条件良く譲ってくれる酒販店を見つけるケースは
レアですね。(難しいだけで無理ではないので、そういった例は他にもあるようです)

6)まとめ

Amazonは全国に色んなお酒を売るために、
なんでも売れる免許をもつ会社を会社ごと譲り受けて
お酒の直販に乗り出した!

という簡単なお話でした。

余談ですが、この法律のままだと
お酒の販売を新規でやりたい会社は2種類の免許が必要で、
かつ売れるお酒の種類にも制限があるので、今から頑張ろうとする
企業にとっては優しくなくて、不健全じゃない?って話もあります。

思った以上に長くなってしまいましたが、
Amazonのとった戦略への解説は以上です!

今回の記事は日経ビジネスの
アマゾンが獲得した“ゾンビ免許”
酒類販売制度に突きつけられた課題
の解説でした!

不明点などあればコメントください。
ではまた次回!

 

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