山形県・北村山地区の5つの蔵が合併
六歌仙の創業は昭和47年(1972年)、新進の酒蔵とも言えます。県の北村山地区に根付いた5つの酒蔵、横尾新酒造店(東根市)・高宮酒造(村山市)・松岡酒造(村山市)・丸屋酒造場(尾花沢市)・庄司酒造店(大石田町)が合併し、山形銘醸株式会社が創設され、銘柄「みちのく六歌仙」が誕生します。
創設当初の山形銘醸は、5つの酒造場がそれぞれに醸した酒に対しての、共同の瓶詰工場・共同の販売拠点という存在でした。昭和58年(1983年)に各構成蔵の醸造部門を廃業し、造りを集約させます。2年後の昭和60年に六歌仙酒造協同組合を設立。ここで日本酒・焼酎・リキュールを醸し、商品管理・販売出荷もライン化されました。平成4年(1992年)に「株式会社六歌仙」に社名を変更しています。
平安時代の六歌人のように、心やさしい味わいを届けたい
「純粋発酵」をテーマに、普通酒から純米大吟醸まで手を抜かない最高品質の商品づくりを心がけています。
「六歌仙」の由来は人々の心にやさしく響き渡る和歌を詠んだ平安の6人の歌人。この「六歌人」のように人々の心にやさしい味わいを届けたいという思いが込められています。同蔵も代表取締役は5社が順番に務めるなど、仲良くコラボレーションしてここまできました。
香り穏やかでソフト、食中酒にもおすすめの純米吟醸
出品酒に使用する山田錦以外は、ほぼ全て山形県産の酒造好適米を使用している同蔵。今回ご紹介のお酒も、山形県産米の「出羽燦々」を60%まで磨いています。
「山法師」の名前は、「山」は八方を山に囲まれた恵まれた環境を表し、「法師」は自然と共に生きていく賢人を意味することから、「自然の包容力と人間の知恵と技の融合した酒を造りたい」という思いから名づけたそうです。
出羽燦々といえば、フルーティーで華やかな香りが印象的ですが、同酒も林檎や白桃を思わせる果実香が漂います。しかし派手さはなく、非常にソフト。口に含むと、控えめなお米の甘味とフルーティーな旨みがおだやかに広がります。酸は控えめで軽快な口当たりと甘味を維持しながら後口もスッと切れていきます。香りはあるものの、お燗にしても美味しく食中酒としても映えそうです。お刺身や牛しゃぶなど、アッサリした食事やおつまみにもよく合う一品でしょう。