ひょんなことから日本にやって来た、ハネオツパイのハネオくん。地元・マレーシアでは、花の蜜からできたお酒を飲んで暮らしていました。
日本でも美味しいご飯(お酒?)がないかと探し回って見つけたのは、日本酒。でも、なんだか難しいことがたくさんで、失敗ばかり......。そんな日本酒の道を奔走するハネオくんの日常を覗いてみましょう。
(漫画/erina)
編集部のひとこと
世界のお酒の中でも珍しく、温度を変えて楽しめる日本酒。実は、ハネオくんが頼んだ「冷や」は、「常温」という意味を持つ日本酒の専門用語なんです。
まだ冷蔵庫が一般家庭に普及する前の日本では、温めたお酒を「燗酒(かんざけ)」、そうでないお酒を「冷や」と呼んで区別していました。そして、「冷や=常温」が定着したまま、冷やした日本酒を指す「冷酒(れいしゅ)」という言葉が生まれ、ややこしくなってしまったのです。
最近は、やはり紛らわしいということで「冷や」を使う人やお店は少なくなってきました。注文するときは、「常温」と言ったほうが間違えがなくてよいかもしれません。
また日本酒は、その温度帯によって「雪冷え(5度)」から「飛び切り燗(55度)」まで5度刻みで情緒のある名前が付けられています。同じお酒でも温度によって味わいが変わりますが、あわせて呼び名も変わるのが日本酒らしい文化ですね。
日本酒の温度帯について、もっとくわしく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください!
◎ハネオツパイとは
ハネオツパイとは、ツパイ目に属し、羽のような尾っぽが特徴的な手のひらほどの小さな哺乳類。マレーシアの森林に住み、主食はヤシの花蜜で、この蜜には自然発酵によるアルコール度数が3.8%ほど含まれているのだそう。人間以外に飲酒行動を確認された初めての哺乳類なのだとか。