「垢抜けた品格のある酒」を目指して
文化3年(1806年)創業。「養老の滝」と「菊水泉」の湧水7源流にもつ養老山地からの伏流水を仕込み水に綺麗で淡麗ながら米の旨みとコクを感じる酒を醸しています。昭和50年代から、大量生産から特定名称酒などにこだわった少量生産に切り替え、「垢抜けた品格のある酒」をモットーにしています。地元銘柄は「玉菊」で、こちらはほとんど地元で消費されます。大都市など県外出荷用に醸しているのが「醴泉」となっています。
高級酒に名づけた「醴泉ブランド」を復活
銘柄の由来は、奈良時代に元正天皇が養老地方を訪れ、滝の水が甘く健康に良いという中国の泉の名前を、当地の水源に「醴泉」と名付けたことから採っています。酒蔵が昭和20年代までに高級酒に使用してきた銘柄で、昭和61年(1986年)に初めて全国新酒鑑評会で金賞を受賞したことを機会に、翌昭和62年に「醴泉」ブランドを再発売しました。同ブランドは手作り、小仕込み、瓶詰氷温貯蔵、最高級の山田錦の使用など、細部までできる限りのこだわりを持った清酒です。
香り、切れ、旨みのバランスが絶妙な銘酒
この純米大吟醸は、兵庫県産特A地区の最高級の「山田錦」を43%まで磨いて、王道の「9号酵母」を使用し醸しあげています。瓶詰の後、氷温で約1年間熟成され、味乗りの頃合いを図って、出荷されます。フルーティーでバニラのような香りが印象的。雑味は一切なく落ち着いた味わいながら、山田錦の丸く立体感のある旨みふくらみを感じます。また柔らかさの中にも、シャープな酸があり、香り、旨み、切れ味のバランスが絶妙です。気品がある奥深い銘酒といえるでしょう。山田錦の純米大吟醸ながら比較的リーズナブル(税込5400円)であり、食事にも合わせやすいです。ハレの日の乾杯酒としてもオススメできます。
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