2019年11月22日にリニューアルオープンした「渋谷パルコ」は、地下1階から地上10階まで、個性的な専門店が193店舗も集まっている次世代商業施設です。

渋谷パルコの外観

「今年で50周年を迎えるパルコの第2章と位置づけ、ターゲットを絞らずに、新しいことや人と違うこと、面白いこと、個性を追求する人たちを世界中から集めることが目標」と、株式会社パルコ・代表執行役社長の牧山浩三さんは話します。

「ファッション」「アート&カルチャー」「エンターテイメント」「フード」「テクノロジー」の5つのコンセプトでフロア編集が行われている渋谷パルコ。その地下1階は「CHAOS KITCHEN(カオスキッチン)」と呼ばれる、飲食店と物販店が混在したレストランフロアです。

「未来日本酒店&SAKEBAR」の看板

このフロアに、未来日本酒店と朝日酒造がコラボした「未来日本酒店/KUBOTA SAKE BAR」がオープンしました。いったい、どのようなお店なのでしょうか。

AIが自分にぴったりな「久保田」を判定!

朝日酒造「久保田」のラインナップ

朝日酒造は、すっきりとしたキレのある"淡麗辛口"の味わいで人気を集める銘酒「久保田」を醸す、新潟県長岡市の酒蔵。一方、未来日本酒店は、知名度やスペックではなくストーリーで選んだ日本酒を販売する、新しいSAKEセレクトショップです。

「未来日本酒店&SAKEBAR」のエントランス

そんな両者がコラボした「未来日本酒店/KUBOTA SAKE BAR」は、ショップとバーの2つのエリアで構成されています。

ショップエリアでは豊富に取り揃えられた日本酒を購入でき、バーエリアでは希少な日本酒をグラス提供するほか、「久保田」の新しいおいしさや楽しみ方に出会える「KUBOTA SAKE BAR」を併設。「久保田」の全銘柄やアレンジカクテルなどを、おつまみとともに楽しめます。

さらに、このバーカウンターではAIを用いた日本酒の味覚判定サービス「YUMMY SAKE」を体験することができます。「YUMMY SAKE」は、10種類の日本酒とスマートフォンを使ったブラインドテイスティングによって、自分好みの日本酒を判定してくれるサービスです(税別2,000円/1回・ドリンク1杯を含む)。

人工知能を用いた日本酒の味覚判定サービス「YUMMY SAKE」

AIを用いた日本酒の味覚判定サービス「YUMMY SAKE」

それでは、実際に「YUMMY SAKE」を体験してみましょう。まず、スマートフォンでQRコードを読み取り、会員サービスにアクセスします。そのあとは10種類の日本酒をテイスティングしながら、それぞれ「おいしい」と感じるレベルをスマートフォンに入力するだけ。

判定結果は、「キュンキュン」「シャラシャラ」など、オノマトペで表現された12種類の味覚タイプに分類されます。その結果から、自分に合う日本酒が直感的にわかるという仕組み。味覚タイプに合わせて、「久保田」各種や「久保田」のオリジナルカクテルなどを楽しむことができます。

久保田 碧寿を使ったカクテル「YawaYawa KUBOTA」

たとえば、「ヤワヤワ」タイプだと、「久保田 碧寿」を使ったカクテル「YawaYawa KUBOTA」が提供されます。「久保田 碧寿」にドライイチジクをしばらく漬け込み、かすかにイチジクの風味がするカクテルです。

ドライで後味がすっきりとキレるお酒にドライフルーツの味わいも加わり、熟成感があふれる味わいでした。

「いずみ鶏の熟成柿酢仕立て」

ペアリングフードも豊富です。「久保田 千寿 純米吟醸」には「いずみ鶏の熟成柿酢仕立て」を、カクテルの「ToroToro KUBOTA」には「いぶりがっこタルタルソースのクラッカー添え」など、おすすめの組み合わせが楽しめます。

渋谷パルコから広がる"日本酒の輪"

これまでにもポップアップショップを出店してきた朝日酒造。しかし、日本酒初心者が気軽に来店できる、「未来日本酒店/KUBOTA SAKE BAR」のような店舗の出店は初めての試みなんだとか。

「渋谷パルコへの出店で、20~30代の若い方や外国人の方々にも楽しんでもらえるのではないかと思っています」と、朝日酒造は大きな期待を寄せていました。

未来日本酒店の山本祐也さん

未来日本酒店の山本祐也さん

未来日本酒店の山本祐也さんは、「渋谷パルコは、渋谷という街の中のカウンターカルチャーの聖地。それに続いて、この『未来日本酒店/KUBOTA SAKE BAR』を日本酒の聖地にしたい」と話します。

「カオスキッチンにはいろいろなお店が出店しているので、お客様の属性もさまざまです。日本酒をあまり知らない人、日本酒を好きではない人でも、『未来日本酒店/KUBOTA SAKE BAR』の前を通ったときに興味を持ってくれるかもしれません。どんなお客様にも『おいしい!』と思ってもらえる日本酒を提供するのが、私たちの役目です」(山本さん)

日本酒にあまり馴染みのない人でも、日本酒のおいしさを発見できる「未来日本酒店/KUBOTA SAKE BAR」。日本酒の輪が広がっていく起点として、多くの人が集う場所となることを願います。

(文/まゆみ)

この記事を読んだ人はこちらの記事も読んでいます