はじめまして。栃木県宇都宮市在住、イラストレーターひらたともみです。19歳、12歳、4歳の2男1女の母でもあり、そして横にデカイ夫と5人で暮らしております。
20代、30代、40代と無計画な妊娠と出産を繰り返したため、ずっと幼な子を育てており、ええ!もう、ずっと、ずぅ~~~っと、「子育てなう!なう!」とつぶやいております。
このたび、こよなく愛する日本酒を、昭和と平成の浮き沈みを泳ぎ渡ってきたアラフォー世代代表として、独自の視点から、日本酒の専門知識ゼロでイラストとコラムで書き綴っていく所存です。
どうぞよろしくお願いします。
ママンの家呑みの理想と現実
実は先日、ある雑誌に載っていた主婦の家呑みルポに衝撃を受けた。
「都内在住、新築マンション、1男の母、30代、メーカー勤務」
小さなお顔に明るめのルージュが印象的のそのご婦人は、かわいい子どもたちと愛する旦那様に目を細め、「お気に入りのぐい呑みです」という有田焼のぐい呑みにキンキンに冷えた冷酒をくい~っとやり、しめ鯖とクレソンのサラダをつまみながらジャズを聴いてくつろいでいる姿がデデーーンと載っていた。
「週に一度は夫が子どもを寝かしつけてくれるんです。その日は私もしっぽり呑んでまーす❤」と、リビングと称されたその場所は間接照明の薄明かりで、大人のムードたっぷりだ。
「…これ、暗すぎじゃね?」とも思ったが、ご婦人いわく、「酒蔵をイメージした」という絶妙な塩梅の明るさらしい。
「酒蔵かよ!」
いや…、本当の突っ込みトコロはそこじゃない。そもそも、本当にこういう酒呑みママンがいるのだろうか…。いやいや、いるんだろうな。実際、いるんだろうけど、どこをどう見ても、
我が家の晩酌風景には、1ミリもリンクしない!
ぜぇんぜぇんしないっ!!
ということだ。
もうね、うちなんてリビングもダイニングもカオス!
分け入っても分け入っても、世界不思議発見!望んでないのに毎日、ミステリーハンター。
リビングの真ん中あたりは、娘の保育園のかばんから本日出土した、出るわ出るわのお砂の山。「わぁ~、保育園でいっぱい遊んだんだね~」とか言っとる場合ではない。その"お砂の山"の隣接地帯で、本日のよーく乾いた洗濯物と、生乾きの洗濯物がヒマラヤみたいになってる。
夕方帰宅してくる子どもたちから、あれこれの連絡事項を「申し送り」のように聞きとげ、
「ハイハイ、わかりましたよー。ハイハイ」と赤ベコのようにうなずきながら、夕飯の支度に突入し、「いただきまーす!」から「ごちそうさまでしたー!」まで、わずか15分。
すごいわー。食べ盛り。1口がデカイ。お醤油取りに行っている間に一膳目が終わってるもん。
まあ、そんな育ち盛り真っ盛りの子どもたちの動物的食欲を眺めながら、私の晩酌が始まるわけだから、こっちもなんだか追い立てられるように呑むピッチが早くなる。
日本酒早呑み選手権とかあったら、たぶんベスト8くらいにははいれるんじゃないかな。
子どもの持ち帰ってきた学校のプリントとか、自治会のなんたらかんたらの案内とか、保育園のお便りとか、バーッってなってるなかで、息子(小6)の宿題を見る。(そして口を出す)むろん、全然ジャズとか聴く気になれない。
時々、娘(4歳)のままごとや空想の世界のお話に相づちを打ち、その、バーッってなってるプリントを片っ端から斜め読みし、ガーッと酒を飲む。むろん、手酌。ホレボレするくらいの男前な手酌。しかも麦茶飲むグラスだし。
ふと目をやると、夫はソファで高いびき。
私が日本酒をきらすと、近くのスーパーに自転車をすっ飛ばして買物に行ってくれる、優しい夫だ。
毎晩、ガーッと呑む酒ではあるが、にぎやかな環境で呑んでいるせいかどんなに深酒しても二日酔いしなくなった。
「地方在住、一戸建て。2男1女、40代、フリーランス」
いつもなんとなく薄汚れた部屋だが、まぁ、これはこれで自分の欠かせない晩酌と、子どもの宿題を含めた一切合財が時短でこなせるのだから、それでいい。
素敵な雑誌に載ることはないんだから。うん。
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