秋の風物詩といえば、お月見ですね。古来、お月見は収穫に感謝し、月と作物に因んだものをお供えして食べる習わしがあります。その最たるものが月見だんごでしょう。
ということで、今回は十五夜の晩酌にあわせて、遊び心を添えたメニューで月見の宴を楽しみたいと思います。
鶏つくねを「月見だんご」に見立てて
【材料】1~2人分
- 鶏ひき肉:200g
- 鶏ガラスープの粉:小さじ1
- マヨネーズ:大さじ1
- ネギ:1/2本(みじん切りにする)
- 片栗粉:大さじ1
- おろし生姜:小さじ1
- こしょう:少々
- 卵黄:1個
- 小ねぎ:適量
【たれ】
- 砂糖:大さじ2
- 醤油:大さじ3
- みりん:大さじ3
【作り方】
まずは、たれを先に作りましょう。小鍋か小さなフライパンに材料すべてを溶いて、火にかけます。
中火で沸騰させ1~2分煮詰めたら火を止め、とろみを出すため冷まします。
次に、鶏つくねを作ります。
1.ボウルに鶏ひき肉、鶏ガラスープの粉、マヨネーズを入れ、粘りが出るまでよく混ぜます。
2.1にネギ、片栗粉、おろし生姜、こしょうを加えて混ぜ合わせます。
3.2を小分けにし、手にサラダ油をつけて丸めます。この時、クッキングシートやラップなどを敷くと作業がラクになります。
4.フライパンに油を温め、中火で3を両面焼きます。
5.焼けたらタレをからめ、卵黄とともに盛り付け、小ねぎを飾りましょう。
お月見のおともは「雨後の月」
卵黄を月に見立てて、食卓で月見酒とシャレてみましょう。
秋の行事ですから、酒も季節ものを用意したいところ。折良くひやおろしが出回る時期、加えて、月の文字を冠しているという洒落も込めて、日ごろ愛飲している「雨後の月」からひやおろしを選びました。
「雨後の月」のひやおろしは、この他に広島産酒米「八反」で醸したものもあります。どちらも料理との好相性を期待できますが、まず、山田錦を上回る酒米を目指して開発されたという「千本錦」へ大いに興味を抱いた次第。また、柔和で穏やかな酒質とされる「千本錦」が、鶏肉のおだやかな旨みや甘めのタレと相性が良さそうと感じました。
開栓と同時にふわりと甘い香り。なめらかな口当たりとともに、ほのかな甘みと酸味が口の中に広がります。
飲み進めるほどに感じる豊かで柔らかい素材味。決して出過ぎることなく、それでいて印象深い旨み。この旨さが千本錦なのでしょうか。あるいは、これがこの蔵の醸しの妙。
つくねとの相性は期待通り。酒とともに味わうと、つくねの旨みが引き立って感じられます。
タレの甘辛な香味に対して、酒がやんわりと包み込む、そんな局面も。この点は、ひやおろしならではのコクのあるまろやかな酒質によるものでしょう。口の中がさっぱりとして、つくねをもうひと口と食欲を掻き立てます。
とかく、起承転結の面白い酒。秋の晩酌として申し分のない1本でした。
(文:KOTA/編集:SAKETIMES)
※この記事は「#新しいお月見」プロジェクトに参加しています。