みなさまも忘年会からお正月、そして新年会、これからは歓送迎会と、胃も肝臓も酷使しているのではないでしょうか。
それでも呑みたい、いつまでも呑み続けたい。そう思うのは酒呑みの願望ですよね。そんな時の救世主ならぬ救世酒を紹介しようと思います。

本日のお酒は「玉川 山廃純米 やんわり」

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前回記事にした「福袋」と同じ木下酒造からの1本です。
ネーミングやラベルからもわかるように、本当にやんわりとしたお酒です。以前から販売されていましたが、今年は申年ということで特にこれを選んでみました。

冷蔵庫に入れた状態から常温くらいで呑むと、水のような軽やかさでお酒の主張がありません。とは言え、山廃の良さが感じられるので、決して薄いお酒という訳ではなく、美味しさを探しながら呑み進めるといった感じでしょうか。緩やかな旨味のあるお酒です。
これをぬる燗まで温度を上げると、一気に旨味と酸が出てきて、全体をまとめ上げてくれます。

玉川といえばギリギリまで発酵させた高アルコール、そして酸が高めのスッキリした後味といったイメージですが、これは12~13度の低アルコール。呑み続けても疲れないようなお酒です。しかし、温めた時の酸の立ち方や微かに樽のような香りがするのは、玉川らしいと言ってもよいでしょう。
杜氏が毎日呑みたいと思うお酒を作ったらしいのですが、その杜氏というのがイギリス人というのですから、驚かれる方が多いかもしれません。美味しいものを造ろうという思いは、各国共通なんですね。
さて、こんなまさにやんわりとした酒には、ほっこり心が和むふろふき大根を合わせようと思います。

ふろふき大根 鶏そぼろ味噌

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<材料>
大根 1/3本
かつお出汁 適量

(そぼろ味噌)
鶏むねひき肉 150グラム
酒 1カップ
甜麺醤 大さじ3
みそ 150グラム
おろし生姜 1かけ分

<作り方>
1.大根は輪切りにしてから皮を剥いて面取りし、十字に切り込みを入れる。
2.水から下茹でする。大根が柔らかくなったら水にさらし、水気をよく切る。
3.かつお出汁で20〜30分煮含め、食べるまでそのまま置いておく。食べる時に温め直す。
4.そぼろ味噌の材料を小鍋に入れ、箸で混ぜながら火を通す。
5.大根の汁気を切って器に盛り、そぼろ味噌を乗せる。あれば、わけぎを飾る。

 

柔らかく甘味のある大根に味噌は定番ですが、お酒と合わせるので、ちょっとタンパク質を追加。料理としての満足感もありつつひき肉のボリュームをお酒が流してくれるという寸法です。そぼろ味噌は多めな分量になっているので、そのまま冷蔵庫で保存すれば1週間は問題なし。毎日ふろふき大根を食べても良し、炒めものや和え物に加えても良しの優秀なそぼろレシピです。

今年は暖冬か?と思いきや、急に寒くなったりして体調も崩しやすい。そんな時はやさしいお酒で熱燗に限ります。心も身体も程よく緊張がほぐれ、風邪なんかに負けないんじゃないかと勝手に考えているんですけど。
みなさんも、疲れた時はやんわりでリラックスしましょうー。

(まゆみ)

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