日本三大河川・吉野川の上流に位置する蔵

sake_miyoshigiku_3

三芳菊酒造は、創業は明治22年(1889年)の老舗。蔵元の馬宮家は、もともと赤穂藩の武士で江戸初期に蜂須賀小六とともに阿波池田に入りました。蔵には約300年前の武家門と江戸後期の武家屋敷が健在です。

池田町といえば、昭和の高校野球ファンには「やまびこ打線」で知られる池田高校がよみがえりますが、四方を山に囲まれ四国屈指の寒冷地で酒造りに最適の地だそうです。また、日本三大河川「吉野川」の上流に位置し、蔵は仕込み水も同水系の伏流水を使用しているとのこと。

個性的な味わいと萌えラベルに注目

sake_miyoshigiku_0

平成13醸造年度(13BY)からは蔵元後継者の馬宮亮一郎氏が杜氏となり、小さい蔵ならではの個性的な酒造りを進めています。香りも含み香りも高く、酸が出ない徳島酵母を使用します。その強い香りに負けない味、酸味を出すため、温度を高く仕込み、麹を溶かして酸度を引き上げるとか。また、自らのパソコンで個性的なアニメや萌え系のラベルを作って、小仕込みでさまざまなラベルと味わいで日本酒ファンの注目を浴びています。

日本酒のワイルドサイドを歩くお酒!?パインの香り&味わい

sake_miyoshigiku_1

このお酒も、制服女子がギターを抱えている個性的なラベルです。しかし造りは本格的で、兵庫県のこだわりの酒米農家から、等外米(大きさが不ぞろいだったり、割れていたりする米)の山田錦を安く譲ってもらい、醸したお酒。法的には特定名称を名乗れませんが、れっきとした純米酒です。さらに袋吊り雫酒という徹底ぶり。

香りはかなりフルーティー。まるでパインジュースのような香りがブワっと広がります。口に含んでも華やかな含み香と、パインのような強い甘酸っぱさを感じます。「パイン飴みたい」という感想もあるほどで、日本酒というよりリキュールのような、日本酒ベースのカクテルを思い出しました。しかし、個性的ながらきれいな酸により後口の切れ味は良く、引き締まった味わい。

これは好き嫌いがハッキリする、まさに日本酒のワイルドサイドを歩くお酒です。居酒屋のおつまみより、ナッツやチョリソー、ポテトチップスなど、バーのおつまみに合いそうです。気に入った方はきっと、中毒になるに違いありません。常識にとらわれないラベルも味わいも、Rockな一品です。

同銘柄はラベルに「TAKE A WALK ON THE WILDSIDE」と書かれています。おそらく蔵元はロック好きで、銘柄名は今は亡きパンクロックのカリスマ、ルー・リードの名曲「ワイルドサイドを歩け」から取ったはずです。CMやドラマなどでよく使われているので、聴いてみてください。

関連カテゴリ