兵庫県の灘にある酒蔵・白鶴酒造が2019年に発売した「Hakutsuru Blanc(ハクツル ブラン)」は、純米酒でありながら、白ワインのように軽やかな飲み心地が特徴の日本酒。
発売からこれまでは飲食店のみで提供されてきましたが、2023年2月27日から一般販売をスタートします。
そんな「Hakutsuru Blanc」は、どんな魅力をもった日本酒なのでしょうか。実際に提供している飲食店に、おすすめのペアリングなどについて聞きました。
洋食といっしょに楽しんでほしい日本酒
「Hakutsuru Blanc」の販売がスタートしたのは2019年。「日本酒といえば、居酒屋」「日本酒といえば、和食」というイメージを更新すべく、カジュアルな洋食といっしょに楽しんでもらうことをテーマに開発されました。
ワイン用の酵母と清酒用の酵母を掛け合わせて生まれた"ハイブリッド酵母"を使用することで、柑橘類や白い花を思わせる爽やかな香りを実現。スッキリとした味わいは、白麹に由来しています。
アルコール分は8%と日本酒にしては低めですが、軽すぎず適度な旨味が感じられるのは、日本酒ならでは。白ワインと日本酒の良いとこどりのような一本です。
画期的だったのは、洋風のバルやカフェなど、日本酒の取り扱いがほとんどない業態の飲食店に積極的にアプローチしたこと。
「休日の昼下がり。陽の光が入る開放的なテラス席で。」
そんなシーンを想定し、新しい販路の開拓に挑みました。結果、これまでは縁のなかった飲食店と取引が始まり、お客さんからは「新しい味わいの日本酒」などと好評の声があったそう。
発売から4年目となる今年、一般販売に踏み切った理由のひとつは、コロナ禍で家飲みの需要が増えていること。しかし、それよりも「こんなにおもしろい味わいの日本酒を、よりたくさんの人に届けたい!」という声が、社内で高まったことが背景にあります。
より多くのお客さんに飲んでいただくために、今回の一般販売を機に甘味と酸味をブラッシュアップしたほか、ラベルデザインにも手を加えるなど、より美味しくおしゃれにリニューアル。「Hakutsuru Blanc」の第2章が始まろうとしています。
チーズの専門店が語る「Hakutsuru Blanc」の魅力
「Hakutsuru Blanc」を実際に提供してきた飲食店は、どんな点に魅力を感じているのでしょうか。神戸市灘区に店舗を構えるチーズ専門店「アンジョリーノ 神戸店」に話を伺いました。
店内に入って最初に目を引くのは、ずらりと並んだ冷蔵庫。そのひとつひとつに、さまざまな種類のチーズがぎっしりと詰まっています。
どのくらいの種類のチーズを扱っているのか、店主の前薗光久さんに尋ねると、「ざっと200種類以上はありますよ」と笑顔で教えてくれました。
前薗さんは、創立から60年以上の歴史をもつ「フランスチーズ鑑評騎士の会」が選出する"騎士(シュバリエ)"の称号を与えられている、数少ない日本人のひとり。長年にわたってチーズの普及に貢献した人が推薦によって任じられる、名誉ある称号です。
「アンジョリーノ 神戸店」には、そんな前薗さんが世界各国から選び抜いたチーズがそろっています。
「チーズの専門店というとハードルが高いかもしれませんが、気軽に来ていただけるように、試食をたくさん用意しています。実際に試食してみて、チーズの美味しさに感動してくれるお客様も多いんですよ」
どのチーズを選んでいいかわからないという人のために、好みや用途に合わせておすすめを教えてくれるのが「アンジョリーノ 神戸店」の魅力。試食を交えて詳しく説明してくれるので、チーズ初心者でも安心です。
前薗さんのユーモアのある語り口も楽しく、話を聞いているだけで、チーズへの愛着が深まっていきます。
店舗の一角では、ピザやパスタなどのチーズ料理が味わえるレストランも営業。そのドリンクメニューのひとつとして、発売当時から「Hakutsuru Blanc」がラインナップされています。どんな経緯で、取り扱いを始めたのでしょうか。
「ドリンクメニューに新しい何かを加えたいと思っていた時に提案してもらったのが、この『Hakutsuru Blanc』でした。飲んでみると、フルーティーでほど良い酸味が感じられ、白ワインに近い味わいだと思いました。日本酒らしい部分もありますが、他の日本酒にはない新しいテイストですよね」
それまでのドリンクメニューは、ワインやビールなどの洋酒がメインでした。「Hakutsuru Blanc」の提供を始めると、オーダーしてくれたのは主に女性。前薗さんは「口当たりが良く、度数が低くて飲みやすいので、日本酒に馴染みがなくても試しやすいのでは」と分析します。来店するたびに注文してくれるお客さんもいるそうで、これからも継続的に取り扱っていきたいと話してくれました。
「チーズがメインなので、日本酒を取り扱うという意識はなかったのですが、『このテイストなら、受け入れてもらえるかもしれない』と、取り扱いを決断して良かったと思います。それほど、素晴らしい一本です」
「Hakutsuru Blanc」におすすめのチーズ料理
「Hakutsuru Blanc」には、どんな料理がおすすめなのでしょうか。前薗さんは「最終的には個人の好みですが」と前置きしながら、提案してくれました。
まずは「アンジョリーノ 神戸店」のメイン料理でもある、チーズの盛り合わせ。
「カマンベールなどのクリーミーなチーズとの相性が良いですが、ハードタイプの中で熟成が浅いチーズや、香りが穏やかなブルーチーズとも合いますよ」
続いては、チーズ料理の代表・フォンデュ。にんじんやブロッコリーなどの温野菜やソーセージ、パンなどをとろとろのチーズにつけて食べる料理です。最近は手軽なセットも販売され、自宅で楽しむ人も増えています。
「フォンデュには白ワインがよく合うので、『Hakutsuru Blanc』も相性抜群です。爽やかな味わいが濃厚なチーズをさらっと流してくれて、思わず食が進んでしまうと思いますよ」
そして、最後はカプレーゼ。野菜中心のサラダなど、シンプルな前菜料理も「Hakutsuru Blanc」にぴったりです。
「飲み口が軽いので、素材の味を楽しむ料理にもおすすめです。生ハムを加えても良いですね」
お客さんに提供する中で導かれた3種類のメニューと「Hakutsuru Blanc」は、家飲みだけでなく、少人数でのホームパーティでも活躍しそう。ぜひ、ペアリングを楽しんでみてください。
白鶴酒造が「Hakutsuru Blanc」を発売したことについて、前薗さんは「実は老舗ほど、新しい挑戦をしていますよね」と評価しています。何世紀にもわたってレシピを受け継いできた本場のチーズ職人も、現代の嗜好に合うようにさまざまな工夫をしているそうで、両者に共通点を感じたと話してくれました。
日本酒の新しい可能性を提案したいという白鶴酒造の想いから生まれた「Hakutsuru Blanc」。2月27日から始まる一般販売を機に、その魅力はさらに広がっていくでしょう。
(取材・文:渡部あきこ/編集:SAKETIMES)
◎商品情報
- 商品名:Hakutsuru Blanc
- 原材料:米(国産)、米こうじ(国産米)
- 精米歩合:78%
- アルコール度数:8%
- 容量:720mL
- 価格:1,277円(税別)
sponsored by 白鶴酒造株式会社