1970年代の地酒ブームを牽引し、“幻の酒”と呼ばれるほどの人気を誇った銘酒「越乃寒梅」。

その美味しさは、料理人をはじめとする飲食業界の関係者の中でも広く認められていますが、飲食業界のプロフェッショナルたちは「越乃寒梅」のどのような点を評価しているのでしょうか。

世界でもっとも権威のあるグルメガイド「ミシュランガイド」にも掲載されている、銀座とニューヨークの高級レストランに、「越乃寒梅」の魅力を伺いました。

料理や飲み手を選ばない、オールマイティな美味しさ

最初に話を伺ったのは、銀座にある、かに料理の専門店「活かに料理 銀座 きた福」。最高品質のかにを毎朝空輸で仕入れ、お客さんの目の前でさばいて提供するコース料理が自慢の名店です。

「活かに料理 銀座 きた福」の看板

2015年のオープン以来、9年連続でミシュランガイドに掲載され、日本の美食家たちはもちろん、海外からわざわざ訪れる人も多数。特に、かにの旬を迎える冬は、3ヶ月先までの予約が埋まります。

「活かに料理 銀座 きた福」の個室

そんな「きた福」では、2022年に発売された「越乃寒梅 純米大吟醸 FROM NIIGATA」が提供されています。

生産本数は720mLで900本のみという希少な商品で、それぞれ精米歩合30%と35%まで磨いた山田錦を使用した複数の純米大吟醸酒を、絶妙なバランスでブレンドしています。ミシュランガイドに掲載されているレストランのみで提供されている、特別な一本です。

「越乃寒梅 純米大吟醸 FROM NIIGATA」

「石本酒造の『十年古酒 乙焼酎』をレギュラーメニューとして取り扱っていた縁で、提供を始めました」

そう話すのは、料理長を務める鈴木啓太郎さん。さまざまな割烹や料亭で腕を磨いた、この道30年のベテランです。

この「きた福」では、オープン当初より料理長を務め、日本酒のセレクトも行っています。産地や品種の異なるさまざまなかにの味に合わせるため、日本酒は常時10種類以上をラインナップしているそうですが、「FROM NIIGATA」を試飲した時に「かに料理に合うと直感した」と、鈴木さんは話します。

「活かに料理 銀座 きた福」の料理長を務める鈴木啓太郎さん

「活かに料理 銀座 きた福」の料理長を務める鈴木啓太郎さん

「最近の流行の日本酒はフルーティーで飲みやすく、単体で美味しいものが多いですよね。しかし、『FROM NIIGATA』は料理と合わせて美味しさが花開く、まさに“食中酒”だと思いました」

実際にお客さんに提供する際は、コース料理の冒頭の「かにの刺身」と合わせることが多いのだとか。

「かにの刺身は非常に繊細な味わいなので、香りや味わいの強いお酒を出してしまうと、その美味しさがわかりにくくなってしまいます。その点、『FROM NIIGATA』は香りが穏やかですっきりとしつつも、旨味のバランスが絶妙で、淡白で繊細な味わいの料理ともよく合うんです」

「活かに料理 銀座 きた福」の料理

その一方で、かにみそのような濃厚な味との相性が良い点も魅力だと、鈴木さんは言います。

「これほどまでにオールマイティな日本酒は、他にはないですね」という評価には、和食の世界で、料理と日本酒の組み合わせを考え続けてきた鈴木さんだからこその説得力がありました。

また、銀座という場所柄、海外からのお客さんも多いそうですが、「FROM NIIGATA」はインバウンドの観光客にも好評とのことです。鈴木さんは「誰にでも満足していただけるお酒」と太鼓判を押します。

「『FROM NIIGATA』は『越乃寒梅』というブランド力に加え、ミシュランガイドの掲載店でしか味わえないという希少性も持っています。特に高級酒であれば、美味しいのは当たり前。その上で、“限定”というアピールポイントがあるからこそ、お客様の興味を惹くのではないでしょうか」

名店がひしめく銀座に店舗を構え、国内外の食通が訪れるからこそ、その評価に恥じない店でありたい。「FROM NIIGATA」は、そんな鈴木さんの思いを支える一本でもありました。

ニューヨークの美食家も認める、安心の美味しさ

世界トップクラスの“美食の街”として知られる、アメリカのニューヨーク。日本から離れたこの地にも、「越乃寒梅」の魅力を強く感じている高級飲食店があります。

「Shion 69 Leonard Street」は、六本木の名店「鮨さいとう」で修行し、27歳という若さでミシュランガイドの1つ星を獲得した宇井野詩音(ういの・しおん)さんがヘッドシェフ(料理長)を務める高級寿司店。

宇井野さんの故郷である熊本県の天草から仕入れる魚介類をメインに、食材はすべて日本から取り寄せ、本当に美味しいものだけを提供するというコンセプトで、グルメなニューヨーカーに高く評価されています。

「Shion 69 Leonard Street」の店内

落合寛人さんは、そんな「Shion 69 Leonard Street」のスーシェフ(副料理長)を務め、提供するお酒のセレクトも担当。「寿司には、まずは日本酒を合わせてほしい」という思いから、日本酒のラインナップには、特に気を配っています。

「アメリカの高級飲食店では、日本酒はボトルでオーダーするのが一般的で、うちには常時40〜50銘柄ほどのストックがあります。実は、これでも多いほうではないんですよ。自分たちが美味しいと思うもの、商品の背景にあるストーリーをしっかりと伝えられるものを取り扱っています」

「Shion 69 Leonard Street」のスーシェフ(副料理長)を務める落合**さん

「Shion 69 Leonard Street」のスーシェフ(副料理長)を務める落合寛人さん

「越乃寒梅」は、ラインナップの最高峰である「純米大吟醸 金無垢」と「大吟醸 超特撰」の2種類を提供。どちらも、兵庫県三木市志染町産の山田錦を丁寧に磨いて仕込んでいるため、ドライな印象の中に穏やかな甘みが感じられます。

「『金無垢』は、新潟県の日本酒らしいドライな味わいですが、山田錦に特有のふくよかな甘みがあります。エレガントな新潟酒として、他の銘柄と比較しながら楽しんでいただけるように、基本的にグラスで提供しています。

『超特撰』は、熟成とアルコール添加によって、力強さと深みのある味わいです。開栓してからの変化を楽しんでいただくために、こちらはボトルで提供しています」

「Shion 69 Leonard Street」の料理

また、日本酒を提供する方法にこだわりがあるそうで、そのひとつが「ワイングラスでは出さない」ということ。

寿司と同じように、日本の文化を知ってもらうために、日本から取り寄せた酒器で提供しています。「香りを楽しみつつ、すっきりと飲んでいただけるように、背の高くない広口の酒器を使っています」と、酒器の形状にもこだわる徹底ぶり。実際に「越乃寒梅」を飲んだお客さんからは、美味しいという評価がほとんどで、手応えを感じているとのこと。

「尖った個性があるわけではありませんが、どんなお客様のリクエストにもしっかりと応えてくれるお酒だと思います。『越乃寒梅』のようなお酒があると、提供する側としては安心感がありますね」

「Shion 69 Leonard Street」にて、お客さんが「越乃寒梅」を楽しんでいる様子

現在36歳の落合さんは、そんな「越乃寒梅」が“幻の酒”と呼ばれていた時代を知りません。それでも、ひと口飲んだ時に「お客様が確実に美味しいと言ってくれる、間違いのないお酒だ」と感じました。その強い確信が、日本酒にまだ馴染みのない外国人の方々を接客する時に、積極的に「越乃寒梅」をおすすめする理由になっています。

「海外において、日本酒はまだまだ知られていない存在。それでも『日本に行ったら、この日本酒が飲みたい』『この料理にはどんな日本酒が合うかな』と考えるお客様は確実に増えてきています。そういう方々に、日本酒の魅力をもっと伝えていきたい。その入口に『越乃寒梅』があると思いますね」

「越乃寒梅」のラインナップ(一部)

銀座の「活かに料理 銀座 きた福」も、ニューヨークの「Shion 69 Leonard Street」も、提供する料理やサービスに一切の妥協を許さない名店。「越乃寒梅」が、そんな一流の飲食店に支持されているという事実は、かつての“幻の酒”の評価に甘んじず、現在も美味しい日本酒造りに真摯に向き合い、技術を磨いてきた証とも言えるでしょう。

(取材・文:渡部あきこ/編集:SAKETIMES)

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