酒匠で料理研究家のまゆみです。
年末に向けてカウントダウンが始まりまりましたね。まさに師走といった雰囲気に包まれ、あっという間に12月が駆け抜けていきそうです。
蔵からは初搾りが出荷される時期ではありますが、今回はあえて、杯を傾けてじっくり呑みたい酒を紹介しようと思います。
本日のお酒は「I LOVE SOBA」
なんというネーミングなんだと突っ込みたくなりますが、数々の日本酒が酒販店にズラリと並んでいる中、これはインパクトがあってついつい手に取ってしまうのではないでしょうか。
そして、日本酒と同等に蕎麦を愛して止まず、一年中蕎麦屋に通い詰めているわたしがこれを呑まない訳にはいきません。
花酵母の使い手、天吹酒造が醸した蕎麦屋のメニューに合うお酒です。ラベルもよーく見るとだし巻きたまごが描いてあって、見ているだけでもニンマリしちゃうのです。
すっきりした口当たりなのにもかかわらず、旨味が舌全体に広がります。穏やかな酸と控えめな甘味で、香りも抑えられています。全体的にまとまりがよく、主張しすぎないので、まさに料理に合うお酒といえるかもしれません。
これをぬる燗から上燗くらいまで温度を上げると、上品な甘さが出て香りもふんわりと立ち上がります。好みの温度帯で呑めるのも、嬉しいですね。
蕎麦がきの揚げだし
ラベルはたまごですが、せっかく「I LOVE SOBA」というお酒なんですから、蕎麦に合わせましょう。とはいえ蕎麦を打つのは素人には難しいですから、失敗が少なく、なおかつスバラシく美味しい蕎麦がきレシピを伝授します。酒呑み同士でそば粉を練り練りしようではありませんか。
<材料> 2人分
・そば粉 60グラム
・水 120グラム
・だし汁 1/2カップ
・みりん 大さじ1
・醤油 大さじ1
・かつおぶし ひとつまみ
<作り方>
1.小鍋にだし汁、みりん、醤油を入れて火にかけ、沸いたらかつおぶしを入れ、弱火で2~3分煮、漉す。
2.鍋にそば粉と水を入れ、木べらなどでなじませる。
3.中火にかけ、練る。
4.まとまって蕎麦の香りが出てきたら、4等分にし、成形して素揚げする。
5.器に盛り、汁をはる。好みでおろし生姜を乗せて食べる。
外側はカリッと、中はもちもち、蕎麦の風味がむわんと鼻に抜けます。これに、追い鰹をした汁が良く合い、「I LOVE SOBA」を一口呑むと旨味がまとまってくれます。
最近は、百貨店やスーパーにも少量のそば粉が販売していますから、皆様も年末には蕎麦がきを日本酒で味わってみてくださいね。
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