近年、日本酒にこだわる店が増えてきた渋谷エリア。数あるなかからおすすめしたいのが「日本酒バル Chintara」です。店長の神田さんが「私がつくることのできる最大限を提供している」と語るように、バルとは思えない、趣向を凝らした繊細な料理を楽しむことができます。
今回は、ちょっとしたデートや女子会にぴったりな「日本酒バル Chintara」の魅力を紹介します。
雰囲気のある"裏渋谷"で、日本酒を楽しむ
「日本酒バル Chintara」までは、渋谷駅から徒歩8分。都会の喧騒を抜けて、おしゃれな店が立ち並ぶ、神泉駅の近くにあります。
店内をのぞくことができるガラス張りの入口と木目調の内装で、ふらりと入りやすい雰囲気。約30席のこぢんまりとした店です。店の壁には人気の日本酒や、きき酒セット、日本酒カクテルなどの紹介がかわいらしく書かれているため、日本酒にあまり馴染みのないお客さんでも、気負うことなく注文できそうです。
料理をつくるのは、麻布の老舗料理店をはじめ、幅広いジャンルの店で修行を積んだという、店長の神田彰さん。さっそく、神田さん自慢のメニューと、全国から選りすぐった日本酒をいただきましょう。
名物は、日本酒との相性が抜群なアジフライ!
一番人気のメニューは「アジフライ」(600円)。生のアジを、店内で捌いて調理しています。外はサクサク、中はふわふわで、身が厚いのが特徴です。自家製のタルタルソースは、玉ねぎの甘味が効いたまろやかさと、いぶりがっこによる味の深みが抜群。
合わせる日本酒は、フライの油分をさらっと流してくれる辛口タイプ。「加賀鳶 極寒純米(福光屋/石川県)」(580円)です。軽快でキレが良いですが、米の旨味をしっかりと感じられます。
続いて、仕込みに2日間かけているという「豚のトロトロ味噌角煮」(900円)をいただきました。泡盛を加えて、ラフテー風に煮込まれた肉厚の豚肉に味噌の優しい甘味がよく絡み、「玉川 山廃純米 無濾過生原酒(木下酒造/京都府)」(680円)のどっしりとした旨味とよく合います。
メニューの中心は和食ですが、一風変わった料理も提供されています。女性に大人気なのは「金時芋のゴルゴンゾーラチーズ和え」(700円)。1時間かけてゆっくりと蒸し焼きにしたさつまいもに、ゴルゴンゾーラチーズやクリームチーズ、ミルクを加えて混ぜ合わせ、ハチミツをひとかけした一品です。これまでに体験したことのない、風味豊かでユニークな味わいでした。
いっしょにいただくのは、ラベルデザインが美しい「GOZENSHU 9 NINE(辻本店/岡山県)」(680円)。さらっときれいな味わいで、華やかな香りがチーズとハチミツの風味を引き立てます。
料理は季節の食材を使用したものが多く、定期的に入れ替えるようにしているのだとか。採算度外視で、良質な素材を贅沢に使用しており、お酒がついつい進んでしまいますね。
女性のお客さんに喜んでもらうための工夫
開店から閉店まで厨房に立ち、料理と向き合う神田さん。そのこだわりには、どんな背景があるのでしょうか。
「カップルや女性のお客様に気軽に利用してほしいと考えて、美味しい料理を提供することにこだわっています。『日本酒バル』というと、ちょっとした肴や乾きものをつまみながら、会社帰りのサラリーマンがひとりで飲むというイメージが強いかもしれません。しかし、ただお酒だけを飲むための場ではなく、いっしょに料理を楽しめる場にすることで、女性が喜んでくれるのではないかと思ったんです。
日本酒をワイングラスで提供したり、日本酒カクテルを充実させたりすることで、おしゃれに日本酒を楽しめるように工夫しています。また、女性が入りやすいように、スタッフはほとんど女性です」
「日本酒バル Chintara」はオープンして5年。もともとは、石川県の日本酒と肴を提供する店だったのだそう。ほとんど出来合いの料理を提供していた当時はあまり流行らなかったそうで、3年ほど前に神田さんが来てからは「やりたいようにやっていい」というオーナーの許可を受けて、店のコンセプトをがらりと変えたのです。
日本酒は、"料理に合う"というテーマで、日本全国から仕入れています。注文に迷ったら、日本酒に詳しい女性スタッフに聞いてみてください。きっとていねいに教えてくれるでしょう。
今では、"日本酒の店でもっとも女性客が多い"と言っても過言ではないほどに、女性客でいっぱいなのだそう。一度の来店では食べきれないほどの魅力的な料理が並び、それらの食事に合う日本酒が数多く並ぶ「日本酒バル Chintara」に、ぜひ一度足を運んでみてください。
◎店舗概要
- 店名:日本酒バル Chintara
- 住所:東京都渋谷区道玄坂2-19-3 1F
- 電話番号:050-5589-6593
- 営業時間:[月~土] 11:30〜15:00, 18:00~24:00、[日・祝] 16:00~22:00
※ 金曜は翌3:00まで - 定休日:お問い合わせください
(取材・文/古川理恵)