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先入観を打ち破る日本酒とフレンチのペアリングを体験!大阪・北新地「日本酒ビストロオダギリ」

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ペアリングとは、ひとつの料理に対してそれに適してたドリンクをあわせて提供するサービスのこと。お酒と料理の味わいと組み合わせを楽しめ、また、コース料理に合わせてお酒が変わっていくので、より多くの種類のお酒を楽しむことができます。

日本酒は万能な食中酒ともいわれますが、和食以外でも食事がよりおいしくなる組み合わせは可能なのでしょうか。大阪・北新地の「日本酒ビストロオダギリ」には、ワインではなく日本酒とフランス料理のペアリングコースがあります。

フレンチと日本酒のペアリングをはじめたわけ

「日本酒ビストロオダギリ」は、元フレンチビストロ勤務のオーナーシェフが、2016年6月に大阪北新地に独立開業したお店です。シェフは以前から定期的に日本酒会を開催し、贔屓の蔵に足しげく通うほどの日本酒好き。

日本酒とフランス料理のペアリングをすすめる理由は、こちらのお店のお客さん、特に30~50代男性にありがちな「特定の銘柄は好きだけど、それ以外は飲まない」という日本酒に対する先入観を打ち破りたいからなのだとか。

ペアリングを一度体験すると、日本酒とはこうあるべきというルールから解き放たれるようで、リピーターとなるお客さんも大変多いようです。

ペアリングコースを体験

今回は、冷たい温度帯で個性的な日本酒が好きな私の好みを存分に取り入れたペアリングを提案していただきました。

1.ポルチーニ茸とブラウンマッシュルームのヴルーテ
日本酒:「作 槐山一滴水 純米大吟醸 岡山雄町」(三重県)

ポルチーニスープの濃厚さとソテーしたマッシュルームの強い香りで、少量ながらも非常に主張がはっきりしているスープです。

少し室温に戻した雄町100%の日本酒は甘さ控えめで香りが優しく、香りの強いスープを優しくサポートしていました。

2.ズワイガニの炙り トマトのジュレ添え
日本酒:「富楼那 純米大吟醸」(大阪府)

トマト雫しぼりのジュレはフルーティでみずみずしく、生のトマトはとても甘味の濃い一皿。柚子の香りのアクセントも効いてます。

日本酒は1年熟成ながら熟感を感じさせない味ですが、酸が丸く口当たりが非常に滑らかで、例えるならマシュマロが口の中でとろけるような感覚。料理の「酸」と「甘味」のメリハリを取り込み、優しい味わいにしてくれました。

3.蝦夷鮑のコンフィ、サーモンとイクラ 、利尻昆布風味のピクルス
日本酒:「農口 純米大吟醸」(石川県)

鮭、アワビ、イクラと豪華な共演のお皿。素材そのものの味に加えて、炙った香ばしさ、香味野菜の苦さや酸っぱさがお皿に溢れています。

あわせた日本酒は、柑橘系で清涼感もある爽やかな香りで、味わいは旨味も苦味のバランスが良い1本。料理のメリハリの効いた「渋味」「香ばしさ」と一緒になって口のなかで溶けていきました。

4.八丈島産金目鯛のポワレ酒粕風味、洋風出汁茶漬け
日本酒:「穂乃花 特別純米酒」(京都府)

洋風出汁茶漬けは、オマール海老の殻からとったかなり濃厚な出汁。皮目をパリッと炙り、淡白ながらも身を熟成させ旨味を封じ込めた金目鯛と一緒にいただきます。焼きおにぎりを崩しながら、いろいろな旨味を絡めて食べる時間はまさに至福でした。

あわせた日本酒は、蔵のなかで綺麗に低温熟成したものをいただきました。乾いた草の香りに加え、濃い旨味とほんのりとした熟成酒独特の苦味が、海老の香りと炙った魚の皮の香ばしさととても良くマッチします。

5.鴨のロースト麹味噌の香り、トリュフのソース
日本酒:「美冨久 特別純米原酒 山廃仕込」(滋賀県)

メインの鴨肉は、麹味噌をつけてローストしたものを、醤油ベースのソースでいただきます

日本酒はなんと10年熟成もの。酸の角は完全に取れて非常に丸い口当たりです。熟成によって生じたザラメのような甘苦味が際立ちます。味噌、醤油、熟成香、それぞれの違った香りが血生臭さが残る鴨肉の旨さが引き立て、一口ごとに違った味わいを演出してくれました。

6.酒粕風味のクレームブリュレ
日本酒:「花巴 本醸造 長期熟成古酒」(奈良県)

最後は、クリーミーなクレームブリュレと甘さが効いてる熟成酒のコンビ。酒粕のおかげでしょうか、口の中で甘さがまとまり、ほっこりと安心する味わいでした。

料理とお酒の両方を引き立てるペアリングの極意

今回のペアリング体験を通じ、日本酒と合わせるフランス料理には、日本酒の「甘味」「旨味」に調和する食材や味付け、ソースの工夫が必要だと感じました。一方で、ワインに合わせる料理には、ワインの「酸味」「渋味」に調和させる必要があります。

日本酒にしてもワインにしても、料理とのペアリングを考えるにあたり、お酒と料理、両方に熟練する職人技が必要であると確信しました。

フレンチのシェフがワインに深く通じてきた歴史に習い、日本酒に深く通じ職人技を磨く食文化継承のシェフが、今後増えてくることを期待したいと思います。

(文/山本清子)

◎店舗情報

「日本酒ビストロオダギリ」

  • 住所:大阪市北区曽根崎新地1-2-4 谷安 セストビル 3F
  • 電話番号:06-6344-3131
  • 営業時間:18:00~21:00(完全予約制)、21:00~0:00(バー営業)
  • 定休日:日曜・祝日

※ペアリングコースは完全予約制のおまかせのみ。
※席数はカウンター8席のみ。お客さんに近い距離でオーナーシェフが接してくれます。
※お客さんの好みや天候、いただく料理にあわせて、ベストマッチな日本酒を提案していただくことが可能です。

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山本 清子

IT系フリーランサーの傍ら、日本酒とチーズを軸とした飲食店とイベントコンサル業務も手がける。スタイリッシュな日本酒バルの開拓を愛しており、女性がひとり、日常的にバーで日本酒を気軽に飲める時代が来ることを信じて活動していく。きき酒師およびチーズプロフェッショナルを保持。