ユニークなチャレンジで注目の蔵
明治34年(1901年)創業。古くからの銘柄は「白瀑」で蔵の近郊にある滝から命名されています。世界遺産の白神山地の湧水を蔵に引いて仕込み水、そして生活用水としても使用しています。現在は、平成13年(2001年)に蔵に戻った蔵元6代目で杜氏も兼務する山本友文さんが、次々に新しいチャレンジを業界に投げかけ、注目を浴びている蔵元です。
蔵に入る前は音楽プロダクションに勤めていた山本さんは、日本酒業界のセオリーに縛られない自由な発想で、日本酒の可能性を広げています。醪をタップリと入れた活性にごり酒の「どにごり」、赤色酵母を使って、いちごミルクのような「どピンク」、竹炭パウダーを入れた「どくろ」など、ラベルも「ど」を大きくフィーチャーした奇抜なラベルなど遊び心がタップリです。
極めつけは、アイスの「ガリガリくん」からヒントを得た、クチナシ色素を美山錦の純米吟醸酒に入れた、真っ青な「ブルーハワイ」です。この突き抜けた感性は、前職でのマネージメント経験が生きていると思います。
酒造りの全工程に関わったこだわりの「山本」
もちろん、酒造りには真摯に向き合っています。平成19年度から杜氏にもなり、自ら米作りから始め、酒造りの全ての工程に自ら携わった銘柄を、名字から採った「山本」として19BYから世に送り出しているのです。今では、「山本」ブランドも酵母や麹違いで多くの種類が出ています。平成22醸造年度(22BY)からは全量純米蔵にもなりました。
ANA国際線採用の蔵元の代表的銘柄
「山本」は今年度(26BY)から「潤黒(ピュアブラック)」としてリニューアルされました。昨年ANA国際線ファーストクラスにも採用されている蔵を代表する銘柄です。酒造好適米「秋田酒こまち」を55%まで精米し、新酵母「秋田NO12」を使用し醸されています。
さわやかな吟醸香にジューシーで上質な桃のような「甘酸っぱい」フレーバー、ビロードのような滑りの良さが印象的です。女性には特に好まれそうな酒質で、洋食に合わせても、しっかり対応してくれるでしょう。
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