佐賀県の鹿島市には6つの酒蔵があります。その中で150石という特に小さな蔵でありながら、杜氏が熱心に酒造りをしている幸姫酒造にお邪魔してきました。

幸姫酒造の仕込み蔵を見学!

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さっそく、仕込み蔵を杜氏の峰松宏文さんに案内していただきました。入ってすぐはラベルを貼るための機械。そして仕込みタンクがずらり。

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こちらは、希望すれば一般の方も見学できます。タンクにはこんな張り紙が。

「わかるわかるその気持ち……。でも叩かないでね。お酒が眠ってる……。」

その通り、叩くなどの乱暴をしてはいけません。

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酒米は山田錦。粒が綺麗に揃っていて、心白も大きく、さすがの山田錦ですね。

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麹室は、一定の温度と湿度が常に保たれています。

「室内は温かいですからよく乾くでしょうねー。」と、ハンガーにかけて干してあったTシャツについて突っ込んでみました。「干しっぱなしですいません……。」と杜氏が苦笑いしていましたが、いやいや、失礼しました。本当に製麹作業は汗をかきますからね。勿論、麹を造る作業も大変ですが、外は寒く麹室の中は温かい。

この温度差30度以上あるところを行ったり来たりするわけですから、体力的にも負担が大きいと思います。

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タンクに作業の分量がびっしりと書かれていて、小さい蔵ならでは。個人的にはこういうところが好きなんです。

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酒母は、かわいらしい毛布に包まれて元気に成長を続けていました。

幸姫酒造のお酒を飲み比べ!

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仕込み蔵の手前には、お酒の試飲場所があります。最初に端から端まで全部呑むのも楽しいですが、杜氏の話を聞いた後では味わいも大違い。

小さい蔵では見学不可というところが多いですが、人出が足りないのが大きな理由。それでも幸姫酒造では、できる限り蔵見学を行っているそうです。日本酒を広く知ってもらうためには、実に素晴らしい取り組みではないでしょうか。

ぜひみなさんも、蔵見学をしてから幸姫を味わってほしいと思います。

「さっき見た山田錦を使っているのね」とか、「こういう想いで造っているのね」とか、「Tシャツ、乾いたかしら」とか。そんなことを考えながら、そして、杜氏の顔を思い浮かべながら呑んでみてください。

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若くて格好いい杜氏の宏文さん。

今後は蔵の拡張もあるらしく、仕込み量も増え、大変だと思いますが、きっとさらに良いお酒を醸してくれることでしょう。これからの幸姫も楽しみでなりません!

(文/まゆみ)

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