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名水の地は美酒の地!都内から日帰りで酒蔵巡りができる千葉県君津市久留里をご紹介

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東京から、バスと電車を使って2時間で行ける名水・銘酒の里、千葉県久留里をご案内します。

約200もの井戸がある久留里は、平成の名水百選の地

千葉県君津市久留里は2008年、環境省の「平成の名水百選」の地に選ばれています。
房総半島の真ん中に位置する久留里の町には約200もの井戸がありますが、そのすべてがポンプで水を汲み上げるのではなく、地下水が24時間絶え間なく自噴しています。中には高さ3メートルまで噴き上がる井戸さえあります。

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自噴井戸が多くある理由は、地質構造にあるそうです。

房総半島の中部では、粘土などの水を通さない地層と、砂などの水を通す地層が規則正しく積み重なり、東京湾に向かって傾斜しています。
房総を代表する山である清澄山(標高377m)の山系に降った雨は、地層を経て濾過され、砂などの地層にたまります。
この水は上の粘土層の重さによって圧力をかけられているため、地上から穴を開けると噴き出してきます。

久留里の住民の方々はこうした恩恵を受けて、生活に使うほとんどの水に活用しています。
それでも水は余るので、現在は数多くの井戸が観光客にも開放されています。

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井戸から湧き出た水を飲み歩く利き水巡り

JRの久留里駅を降りて、改札を出ると広場のど真ん中にあるのが、「大井戸」です。
ここでまずは1杯目の利き水をしてから、井戸巡りを始めます。
街道に出て南に進むとまず遭遇するのが「藤平酒造の井戸」です。
その名の通り、「藤平酒造」の店の前にあります。
きりりと引き締まった味わいでした。

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さらに南に進むと、「高澤の水」が現れます。
こちらは個人宅の玄関手前にあります。
1931年に掘られたという井戸は深さ480m。
1秒当たり1リットルの名水が自噴しており、使い切れないので開放しているとのことでした。
こちらの水はまろやかな印象でした。

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大きなポリタンクを何本も持ち込んで、自宅へ持ち帰る人たちは「新町の井戸」を利用しています。
自噴の量も多く、パイプも2本引かれているので、大口利用者がいても、あまり待たされることはありません。
この日は茨城県牛久市から来たという男性が、5リットル入りのポリタンクを20本も持ち込んで水を注いでいました。
家族4人の1週間分の飲み水や料理用の水として使うのだそうです。

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良質な水があるところには醸造業も盛んになります。
君津市は6軒の酒蔵がある銘酒の里でもあるのです。
久留里の町中にも歩いていける範囲に3軒ありますので、利き水巡りが終わったら、酒蔵巡りへと移ります。

6軒の酒蔵がある銘酒の里で酒蔵巡り

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1軒目にお邪魔したのは吉崎酒造
1624年創業の千葉県では一番古い酒蔵です。
「吉寿」「月華」が代表銘柄です。
入り口にたつ柏の木とそびえたつ煙突が目印です。
明治末期の醸造棟と昭和初期の洋館が歴史の重みを漂わせています。
甘口から辛口まで幅広くいろいろなお酒を造っています。

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吉崎酒造の道路を挟んではす向かいにあるのが藤平酒造
1716年創業で、主力銘柄は「福祝」と縁起のいい名前です。
蔵の敷地内で自噴する水はミネラルが豊富な硬水で、酵母の発酵が旺盛になって、仕上がるお酒は辛口で飲みやすく、香り控えめ。
和食と合わせやすいお酒になっています。
蔵元跡継ぎの三兄弟が力を合わせてお酒を醸しています。
政治家の麻生太郎氏のお気に入り酒として、注目を浴びたこともあり、都内でも見かけることがある美酒です。

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最後に北の町はずれまで歩いていくと須藤本家があります。
明治18年創業で、主力銘柄は「天乃原」です。
もともとは地主だったそうで、小作から納められた米が余ったので酒造業に参入したようです。
こちらは酒蔵の中をぐるっとガラス越しに見学できるコースが作られていて、いつでも自由に見学ができます。
といっても、酒造りは朝が早いので午後に行っても設備しか見えませんので、ご注意を。
以前は出稼ぎ型の杜氏と蔵人による造りをしていましたが、平成23年からは蔵元自ら製造責任者となって、4人で酒造りをしています。
蔵人の手作りによる香り高く、ソフトな酒を目標にしているそうです。

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利き水巡りと酒蔵巡りを全部しても半日程度で済みます。
これから徐々に暖かくなる時期ですから、日帰りで久留里へ散歩にでかけませんか?

(文/空太郎)

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空太郎

日本酒指導師範(菊正宗認定)&酒伝道師です。 1年365日、日本酒を飲んでいます。 10人未満で丁寧にお酒を醸す銘酒小蔵がたくさん存在することが、 日本酒の多様性と魅力を維持するのには欠かせないと思っています。 そんな酒蔵の活動や、それを応援する酒販店や居酒屋の動きを お伝えしていきます。