日本酒の裏ラベルに原料米の表記があるものも多いですが、そのなかでも「麹米(こうじまい)」と「掛米(かけまい)」に分けて書いてあるものがあります。
麹米については、麹用に使われたお米ということを意味していますが、掛米とはどのようなお米を指しているのでしょうか?
今回は、掛米についてご紹介したいと思います。
1. 掛米(かけまい)とは?
掛米とは、もろみ造りに直接使われるお米のことです。
1度の仕込みで使われるお米の割合は、麹用に使われるお米が2〜3割、酒母米(=酒母用に使われるお米)が約1割なのに対して、約7割が掛米として使われます。
掛米にはたくさんのお米が使われますから、蔵によっては酒母米と麹米だけに割高な酒造好適米を使用し、掛米には割安な酒造用米を使うところもあります。
2. ラベルの原料米表記
よく表ラベルに「山田錦使用」などとうたっているお酒があります。そう書いてあるものは麹米、酒母米、掛米のすべてに山田錦を使っていると思ってしまいませんか?
実は、表示しようとする原料米の使用割合が50%を超えていれば、表記ができるのです。つまり、ラベルに「山田錦使用」と書いてあるだけですと、山田錦を50%以上使用しているという意味になります。
また、原料米と合わせて使用割合も明記しているラベルもあります。例えば山田錦を全工程で使用した場合は「山田錦100%(使用)」などと書かれています。