2025年6月10日(火)に、世界一おいしい市販酒を決める日本酒の品評会「SAKE COMPETITION（サケ・コンペティション）」の上位入賞酒が発表されました。速報でお伝えします。

「SAKE COMPETITION」とは？

「SAKE COMPETITION」は、「ブランドや銘柄に左右されることなく、消費者が本当においしい日本酒に巡り会えるような新しい基準を示したい」という理念のもと、2012年から開催されている、世界一おいしい市販酒を決める日本酒の品評会です。

開催のたびに規模を拡大し、2019年には、総出品数が1,919点という世界最大の日本酒コンペティションとなりました。コロナ禍の影響で、2020〜2022年は中止されましたが、2023年から再開しています。

SAKE COMPETITION 2025

審査は市販されている日本酒のみが対象。銘柄などの情報を隠したブラインドテイスティングで行われ、おいしさ（酒質）のみを審査することを徹底しています。知名度や人気度に関係なく、どんな日本酒でも1位をとるチャンスがあります。

2025年から、審査部門は従来の「純米酒」「純米吟醸」「純米大吟醸」「Super Premium」「海外出品酒」に、新設の「モダンナチュラル」を加えた計6部門となりました。総出品数は約1,000点を目安に制限が設けられています。今年は計1,163点のエントリーがあり、5月上旬に審査が行われました。

審査基準は、米でできた日本酒らしい香りや味わいから逸脱していないかを問う「清酒としての品格」と、飲んで楽しむ日本酒として優れているかを問う「飲用酒としての適性」の2点。各部門の上位10点には「GOLD」が授与され（※）、順位も発表されます。「GOLD」以下の上位10％には「SILVER」が授与されます。

（※）Super Premium部門は上位3点にGOLDを授与。

「SAKE COMPETITION 2025」受賞酒

純米酒部門（出品数：286点／予選通過：140点）

特定名称「純米酒」の表示がある清酒。「特別純米酒」「山廃純米酒」「生酛純米酒」も出品可能。

  • 1位：「磯自慢 雄町 特別純米53」磯自慢酒造株式会社（静岡県）
  • 2位：「天上夢幻 旨口 特別純米」株式会社中勇酒造店（宮城県）
  • 3位：「流輝 純米DRY」松屋酒造株式会社（群馬県）
  • 4位：「飛露喜 特別純米」株式会社廣木酒造本店（福島県）
  • 5位：「AKABU 純米酒」赤武酒造株式会社（岩手県）
  • 6位：「みむろ杉 ろまんシリーズ Dio Abita」今西酒造株式会社（奈良県）
  • 7位：「自然郷 円融純米」合名会社大木代吉本店（福島県）
  • 8位：「土佐金蔵 特別純米酒」高木酒造株式会社（高知県）
  • 9位：「一白水成 特別純米酒 良心」福禄寿酒造株式会社（秋田県）
  • 10位：「大盃 特別純米」牧野酒造株式会社（群馬県）

純米吟醸部門（出品数：340点／予選通過：165点）

特定名称「純米吟醸」表示がされている清酒。「山廃純米吟醸」「生酛純米吟醸」「吟醸純米」など、「純米吟醸酒」と判断できる表示でも出品可能。

  • 1位：「寒紅梅 純米吟醸 山田錦50％」寒紅梅酒造株式会社（三重県）
  • 2位：「而今 純米吟醸 山田錦」木屋正酒造株式会社（三重県）
  • 3位：「東洋美人 限定純米吟醸 愛山 醇道一途」株式会社澄川酒造場（山口県）
  • 4位：「大嶺 3粒ひやおろし 山田錦」大嶺酒造株式会社（山口県）
  • 5位：「楽器正宗 雄町 中取り」合名会社大木代吉本店（福島県）
  • 6位：「作 奏乃智」清水清三郎商店株式会社（三重県）
  • 7位：「磯自慢 純米吟醸」磯自慢酒造株式会社（静岡県）
  • 8位：「町田酒造 純米吟醸 山田錦」株式会社町田酒造店（群馬県）
  • 9位：「中島屋 純米吟醸」株式会社中島屋酒造場（山口県）
  • 10位：「AKABU 純米吟醸 愛山」赤武酒造株式会社（岩手県）

純米大吟醸部門（出品数：341点／予選通過：181点）

特定名称「純米大吟醸」表示がされている清酒。「山廃純米大吟醸」「生酛純米大吟醸」「大吟醸純米」など、「純米大吟醸酒」と判断できる表示でも出品可能。

  • 1位：「盛升 純米大吟醸」黄金井酒造株式会社（神奈川県）
  • 2位：「望bo: 純米大吟醸 雄町」株式会社外池酒造店（栃木県）
  • 3位：「南部美人 純米大吟醸」株式会社南部美人（岩手県）
  • 4位：「有機純米大吟醸 天鷹 槽搾り原酒」天鷹酒造株式会社（栃木県）
  • 5位：「石鎚 純米大吟醸」石鎚酒造株式会社（愛媛県）
  • 6位：「燦爛 純米大吟醸 夢ささら」株式会社外池酒造店（栃木県）
  • 7位：「南部美人 純米大吟醸 結の香」株式会社南部美人（岩手県）
  • 8位：「AKABU 極上ノ斬 純米大吟醸」赤武酒造株式会社（岩手県）
  • 9位：「白鶴 Alternative 純米大吟醸 白鶴錦」白鶴酒造株式会社（兵庫県）
  • 10位：「天吹 純米大吟醸 愛山」天吹酒造合資会社（佐賀県）

Super Premium部門（出品数：71点）

特定名称酒に限らず、720mLで小売価格が10,000円（税別）以上、1,800mLで15,000円（税別）以上の清酒。

  • 1位：「極聖 純米大吟醸 天下至聖」宮下酒造株式会社（岡山県）
  • 2位：「田酒 純米大吟醸 PREMIUM」株式会社西田酒造店（青森県）
  • 3位：「くどき上手 命」亀の井酒造株式会社（山形県）

海外出品酒部門（出品数：10点）

日本以外で製造されているもの。

  • 1位：「DASSAI BLUE Type 23」DASSAI USA Inc.（ニューヨーク）

モダンナチュラル部門（出品数：115点）

純米酒かつ「生酛／山廃／菩提酛」の清酒。2023年7月1日～2024年6月30日（2023BY）、および2024年7月1日～2025年6月30日（2024BY）の期間に醸造された清酒のみ出品可能。

  • 1位：「田酒 純米大吟醸 山廃」株式会社西田酒造店（青森県）
  • 2位：「雨降 水酛愛山 “MIZUMOTO”」吉川醸造株式会社（神奈川県）
  • 3位：「松の司 純米大吟醸 AZOLLA50」松瀬酒造株式会社（滋賀県）
  • 4位：「山城屋 STANDARD CLASS」越銘醸株式会社（新潟県）
  • 5位：「仙禽 モダン 壱式」株式会社せんきん（栃木県）

特別賞

ダイナースクラブ若手奨励賞

各部門の「GOLD」を受賞した酒蔵において、40歳以下の杜氏・醸造責任者から選出。次世代の日本酒の造り手を応援する目的で2016年に創設。

  • 杜氏 林敬宏（株式会社南部美人／岩手県）

JAL空飛ぶSAKE賞

純米3部門（純米酒／純米吟醸／純米大吟醸）において、出荷量が少なく希少性の高い出品酒の中から、海外の方々にも知っていただきたいという視点で選出。日本航空の国際線ビジネスクラスに、期間限定で採用される予定。

  • 「松の司 純米大吟醸 AZOLLA50」松瀬酒造株式会社（滋賀県）

TAKANAWA GATEWAY CITY まちびらき記念 最優秀蔵元賞

TAKANAWA GATEWAY CITYのまちびらきを記念して、純米3部門の総合得点が高く、さらに長い伝統を受け継ぎ、革新を重ね、世界に誇る日本酒文化を築いてきた酒蔵に授与。

  • 磯自慢酒造株式会社（静岡県）

実行委員長賞

「SAKE COMPETITION」実行委員長の長谷川浩一氏が、審査中にもっとも素晴らしいと評価した出品酒に授与。

  • 「御慶事 純米吟醸 ひたち錦」青木酒造株式会社（茨城県）

受賞された酒蔵のみなさま、本当におめでとうございます。

「SAKE COMPETITION 2025」の上位入賞酒の一覧は、公式サイトをご覧くだい。

（文：SAKETIMES編集部）

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