スペイン、マドリードでSAKETIMESライターとして記事を書かせていただいている大倉です。

私は日本食文化には欠かせない日本酒が、スペインの方にどのようにうけているのか、皆さんにお伝えできればと思っています。

今回はスペインの日本酒伝道師 パブロ・アロマール氏にインタビューをさせていただきました。今回も前後編でおおくりいたします。
ご参考に、前々回の記事をご覧ください。
スペインの和食レストラン「リカルド・サンス氏」にインタビュー【前編】
スペインの和食レストラン「リカルド・サンス氏」にインタビュー【後編】

パブロ氏は前々回、私がインタビューさせていただいたミシュラン1つ星のレストラン、和西洋創作料理人リカルド氏の酒イベントを催されたときの仕掛人であります。今、スペインで日本酒が注目され出しているのは、彼の惜しみ無い影の努力が多大に影響していると思います。

パブロ氏が日本酒をスペインへ輸入するようになったきっかけ

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『私の本職はスペインワインをアジア諸国(特に日本)に輸出することです。ある国際ワインイベントで私のstandがたまたま日本酒のstandの隣にあったことがきっかけでした。お互いに商品を交換し試飲をしたりしていて、それからというもの度々、国際ワインイベントの折には、日本酒standまで訪ねていくようになり親交を深めていったよ。

ある国際ワインイベントが終わった後に、打ち上げを兼ねてみんなで飲みに出かけたときに、ある酒造からスペインで日本酒を売ってくれないかという話があり、その時は酔った勢いで「いいよ(ok)」と返事をしてしまった。

明くる日、電話の呼び鈴で起こされた。電話の向こう側は昨日の酒造の人で、電話を受け取ったときは、寝起きと二日酔いで意識がハッキリしていなかったが、「今からスペインに輸出する酒蔵6蔵と会ってほしい。」と言われたときには、二日酔いも全部吹っ飛んだよ。昨日の夜の酔った勢いの二言「ok」がこんな大事になるとは全然想像していなかったよ。これがきっかけだね。』

最初の一歩

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まずはスペインでどう日本酒を扱うかについて熟慮し、最初に思いついたのはスペインで日本酒のイベントを開催すること。そこで和西洋創作料理人リカルド氏に相談した。2012年6月に行われたイベントは、多分スペインで初の日本酒だけのイベントじゃないかな。

結果的には大盛況だったけど、正直一時はどうなるか不安が募ったよ。

3年前のスペインでは日本酒は全て燗して、燗も沸騰寸前まで温めて飲むような有様。そのような状況の中に日本酒を冷やして飲む、しかも、日本酒スパークリング等も登場する。これはスペイン人にとって前代未聞なこと。それでも酒蔵6蔵を含め、たくさんの方々の多大な援助のおかげでイベントは無事行われた。』

パブロ氏のように私たちの知らない所で、日本酒文化普及活動を懸命に取り組んでいる人がいることを私は知りました。ぜひ、このような方々を私はできる限り応援していきたいと思います。パブロ氏が踏み出した一歩はスペイン人による、スペイン人の為の第一歩だと思います。

後編ではパブロ氏のその後の活動についてインタビューしていきたいと思います。

 

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