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スペインの和食レストラン「リカルド・サンス氏」にインタビュー【後編】

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スペインマドリード在住で利き酒師、スペインワインソムリエの大倉です。

私はスペインの方に日本酒がどのように受け入れられているのか、現地からスペイン人の声を直接お伝えし、少しでも多くの方に日本酒のかっこよさをお伝えできればと思っています。

今回はスペインで和創作料理の先駆者リカルド サンス氏へのインタビューを前後編でお伝えします。
リカルド サンス氏の経歴については前編記事のスペインの和食レストラン「リカルド・サンス氏」にインタビュー【前編】をご覧ください。

インタビュー後編の今回は、リカルド サンス氏の「スペインでの日本酒活動」についておうかがいしました。

日本酒に力を入れているいきさつ

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これは2000年、kabukiをオープンした当時から話していくけど、当時はお客の90%は赤ワインだったね。ハッキリ覚えてないけど日本酒は3種類程度。

この赤ワイン派だったお客がだんだん白ワインに変わっていくんだけど、もちろん僕らレストラン側がお客に勧めてだけどね。僕もワインの勉強をしたよ。スペインでは食事時にはどうしてもワインは外せないからね、そこで僕の創り出す料理を引き出してくれるワイン、始めはスペインワインを主としてたけど、そのうち近隣国フランス、ドイツ、オーストリア、イタリア、それから海を渡って、アメリカ、チリ、オーストラリアなどのワインを手に取るようになり、今では約500種類のワインを常時ワイン蔵に用意させているよ。

光栄な事にあのRobert Parkerが来店してワインリストを絶賛してくれたんだけど、彼はなんと大の日本酒好きで話を色々話を聞かせてもらった。

それからちょっとときがたち、2012年に日本の6つの酒蔵からうちのレストランで酒イベントを行いたいと依頼を受けてね。今でも覚えているよ。出羽桜、浦霞、惣誉、真澄、李白、獺祭、イベントはこの6つの蔵に来て頂き、昼間は一般用にレストランを全オープンにして、立寄り自由な状態で、そして夜は料理評論家、メディア(雑誌、テレビ、ラジオ)そして当時の日本大使も出席してくれて、僕の料理と日本酒のマリアージュ。

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そこでスペイン人の出席者に1番衝撃的だったのは日本酒。その日用意された日本酒は彼らの想像していた日本酒像とは遥かに違っていたみたいで、イベント2時間の予定がその倍の4時間も日本酒を楽しんでいた。それからかな、日本酒に力を入れ出したのは。

日本酒を取り入れたことによりレストランに与えた影響とは?

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ここ2,3年、kabukiでも日本酒を注文する客がだいぶ増え、その増加に対応できるだけのスタッフの能力は備わっていると思うよ。でもこれから、もっと日本酒の需要が増えた時の場合に備えての教育を、今からスタッフトレーニングに力を入れている。

特に日本酒(飲料)の場合、たまに客の知識の方がスタッフのそれを上まっている時がある。これは日本酒だけでなくkabukiにはワインを始め、ビール、蒸留酒、茶のリストがそれぞれあるので、その専門知識をスタッフ全員にトレーニングしていくのだが、日本酒の場合はなかなか情報が入らない状況がある。これは距離による問題だと思っているのだけどね。

日本酒リストを拡大する事により、客に想像以上のサービスを提供できるようになったのは事は事実であり、それもだいぶ認識されてきているね。

どのようにしたらスペインで日本酒が普及していくと思われますか?

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そうだね。「まずは日本酒がもっと気軽に飲めて、知ってもらえる環境を造ることかな。」日本酒をレストランだけで飲むのではなく、日本酒のイベントなどを増やしていくこと、それに並行して日本酒を売れる人材を造っていくことだね。特に今のスペインは日本食だから日本酒というような考えではないので、『売る』というのを前提に考えないと行けないと思うよ。

もう1つは、「スペインに限らずどこでも、SAKETIMESさんが行っているような日本酒伝道師を育成し、次の世代へ伝えていくことじゃないかな。」日本だけではなく、今スペインでも若者のワイン離れが急増していて、ワインの消費率が減っている。僕の若い頃と比べると、お酒の飲み方や飲む環境、そしてお酒の種類がだいぶ変わっていることは事実だね。

少し前まではワインのプロは自分の親、近所のおじちゃんだったり、すごく身近にいたけど、今はその道の専門のプロだったりするからね。だからそういう人を絶やさないことじゃないかな。とにかく日本酒は世界を代表するアルコール飲料なので絶対に伝えていかなければいけないと思うよ。

第1弾はスペインのリカルド氏にインタビューをさせていただきました。これからもスペイン人に日本酒がどのように思われているのかをみなさんに伝えていきたいと思います。

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