ふたつの酒蔵が造った日本酒の優劣を、お客さんの投票によって決める―

「嗜好品である日本酒に優劣をつけるなんて、けしからん!」といった声も聞こえてきそうですが、なんだかワクワクしますよね。そんな酒造り対決イベントが「埼玉SAKEダービー」。埼玉県が誇るふたつの酒蔵、石井酒造(埼玉県幸手市)と寒梅酒造(埼玉県久喜市)の若手杜氏が、同じ条件のもとで「彩の原石」という銘柄を醸し、どちらのお酒が美味しいかを投票によって競うガチンコ日本酒バトルです。来たる12月11日(日)、渋谷「東京カルチャーカルチャー」にて開かれます。

pr_saitama-sake-derby_2016_1

今年で2回目の開催となる本イベント。昨年は、3回戦にわたる熾烈な争いの末、最後の最後で寒梅酒造が逆転勝利を収めました。(昨年の決戦の様子はこちら)

昨年とは条件が変わり、会場のキャパも100人規模に拡大した今年は、いったいどちらの酒蔵が勝利を収めるのか・・・。

イベント開催に先立ち、今年の見所や、両杜氏の意気込みなどを紹介しましょう。

2度のユーザーテイスティングで雌雄を決する参加型イベント

決戦の地は、12月に渋谷へ移転したばかりの「東京カルチャーカルチャー」。収容人数100人という大きな会場を貸し切っての開催です。参加者は、両蔵がそれぞれ醸したしぼりたての「彩の原石」を実際に飲み比べ、美味しいと感じた方に投票します。つまり、あなたの一票が勝敗を分かつ”参加型”イベントなのです。

テイスティングは2回。1回目はブラインドで、まったく情報がない状態でテイスティングします。2回目は杜氏から造りについてのプレゼンテーションを聞いたうえで、再度テイスティングをします。造り手の顔が見えると、お酒の味も変わってくるかもしれませんね。

th_IMG_2303

昨年は「米・精米歩合・麹・酵母」を同じ条件に揃えましたが、今年の条件は、「同じ米・精米歩合」で日本酒を造ること。それ以外は造り手に委ねられます。使用する原料米は、飯米として埼玉県内で広く愛されている「彩のかがやき」。精米歩合は”60%”という条件です。「彩のかがやき」は一般的な酒造好適米と比べてデンプン質が多く含まれるため、それをコントロールするためには高い技術力が求められます。

条件がシンプルになったことによって、昨年よりも造り手の感性が味に表れてきそうです。

pr_saitama-sake-derby_2016_2

若手が活躍する、注目の酒蔵が参加!

ここで、「埼玉SAKEダービー」に参加するふたつの蔵を紹介します。

・石井酒造 (埼玉県幸手市)
創業は天保11年(1840年)。弱冠29歳の若き蔵元・石井誠さんが代表を務めます。30歳の和久田健吾杜氏との”若手コンビ”は、日本酒業界に新しい風を吹き込む存在として注目されています。

pr_saitama-sake-derby_2016_3

杜氏の和久田さんは、昨年の敗北をものともせず、「市場そっちのけで、自分好みの酒を醸したい!」と、普段できない酒造りができるこの勝負を楽しんでいる様子。ただし、お互いがどんな設計で造っているかは当日まで秘密にしているため、寒梅酒造がどんな酒を造っているのか、気になって仕方がないそうです。

・寒梅酒造 (埼玉県久喜市)
創業文政4年(1821年)。杜氏を務める32歳の鈴木隆広さんは、和久田杜氏にとっては大学の先輩にあたる人物。昨年は先輩という立場でプレッシャーのある中、無事勝利を収めることができて安堵されたそうですが、今年はさらなるプレッシャーに押され、早くも勝負に負ける夢を見てしまったそうです。

pr_saitama-sake-derby_2016_4

そんな鈴木杜氏が目指したのは「きれいでバランスの良い味わい」。個性的な酒質も考えたそうですが、やはり”素直に飲んで美味しい酒”を狙ったそうです。チャレンジ精神旺盛な和久田杜氏と比較すると、一見保守的にも見える鈴木杜氏ですが、実はかなりの負けず嫌い。今年も至極の1本を仕込んでくれるでしょう。

イベントを盛り上げる豪華な審査員

当日の見どころは、”ただ参加できる”だけではありません。MCとして、日本酒ファンにはおなじみの利酒師漫才コンビ「にほんしゅ」さんが出演。軽妙なトークでイベントを盛り上げてくれることでしょう!

pr_saitama-sake-derby_2016_9

さらに、3名の特別審査員もダービーの結果を左右するキーマンとなります。初代ミス日本酒の森田真衣さん、同じ埼玉県の深谷市に酒蔵を構える滝澤酒造の滝澤杜氏、そしてSAKETIMESを運営する(株)clear代表の生駒龍史。審査員票は各回につき3票で、計6票分持ってます。日本酒に深く関わるプロの感性には、どちらの酒が響くのか・・・今から楽しみでなりません。

特別審査員も、一般参加者も審査基準は至ってシンプル。「どっちのお酒が美味しいと感じたか?」ただそれだけです。

若き杜氏同士が凌ぎを削って繰り広げる一戦を、ぜひ、その目で見届けてください!

「埼玉SAKEダービー」に込められた想いとは?

pr_saitama-sake-derby_2016_5

実は35もの酒蔵がある埼玉県ですが、”酒どころである”という事実は、全国的にはあまり知られていません。そこで、「まだまだ眠っている埼玉清酒の魅力を全国に知ってもらいたい」と立ち上がったのが、石井酒造の代表であり、「埼玉SAKEダービー」の仕掛け人でもある石井誠さんです。

昔から交流があり、同世代の杜氏が活躍する寒梅酒造とともに、互いの技術研鑽と、埼玉清酒のPRを両立させる企画として本イベントを立ち上げました。

pr_saitama-sake-derby_2016_6

「昨年初めて『埼玉SAKEダービー』をやってみて、多くの方に『おもしろかった』『埼玉のお酒の美味しさをはじめて知った』などお褒めの言葉をいただきました。それと同時に、『嗜好品である日本酒を比べて、優劣をつけるなどもってのほかだ』といったご批判があったことも事実です。新しいことをすると当然、反対意見も出てきますよね。でも、そこに怯んでいては、新しいことにはチャレンジできません。『日本酒の味で対決する』というのは、今まではタブーだったかもしれませんが、それで日本酒に興味をもってくれる方が増えるのなら、ぼくはアリだと思っています。何を言われようと、僕たち若手にしかできないことやっていきたいですね」と石井さんは言います。

pr_saitama-sake-derby_2016_7

「本イベントを開催するもうひとつの目的は、若手同士が切磋琢磨することによる技術向上。実際に、昨年の戦いを経て、今年は両蔵とも品評会などで入賞するなど確実に成果が現れています。『埼玉SAKEダービー』は、決してお互いを落とし合うのではなく、高め合うための勝負なのです。」

若い蔵元・杜氏が率いる”彩”のふたつの蔵。この原石は、今年はどんな味わいの酒でわたしたちを驚かせてくれるのでしょう。

「埼玉SAKEダービー」の決戦は12月11日。寒梅酒造の連覇なるか?石井酒造が雪辱を果たすのか? 両蔵の運命を決めるのはあなたの1票です!

(取材・文/平井 遥)

sponsored by 石井酒造株式会社

◎開催概要

  • 日時 : 2016年12月11日(日)OPEN 12:00 START 12:30 END 14:30 (予定)
  • 会場 : 「東京カルチャーカルチャー」
  • 住所 : 渋谷区渋谷1-23-16 渋谷cocotiビル4階
  • 会費 : 前売りチャージ券3,000円(当日500円×2枚の食券の購入が必要)当日チャージ券500円増し

◎チケットの購入先
http://tcc.nifty.com/event/general/19089

◎お問い合わせ先

  • 石井酒造株式会社
  • 本社 : 〒340-0156 埼玉県幸手市南2-6-11
  • 代表者 : 代表取締役 石井誠
  • Tel : 0480-42-1120
  • Fax : 0480-43-4300

関連記事