代表銘柄「旭日(きょくじつ)」で知られる、1831年創業の老舗酒蔵・藤居本家(滋賀県愛知郡)にて「第3回 初しぼり 杉玉フェスタ」が11月26日(土)に開催されました。そのフェスタの様子をお伝えします。
新酒お披露目イベント!「初しぼり 杉玉フェスタ」
毎年11月に、新酒をお披露目するイベントとして「初しぼり 杉玉フェスタ」が開催されています。蔵見学やききあてコンテスト、ライブイベントなどが催されるほか、ワンコイン(500円)でお猪口を購入すると、しぼりたて新酒などのさまざまなお酒を試飲することができます。
JR東海道本線 稲枝(いなえ)駅から徒歩で約40分かかりますが、事前予約しておくとマイクロバスで送迎してもらえるので、ありがたいですね。
酒蔵に到着して、まず驚くのは重厚な建物!1950年代後半に建築されたもので、6代目であった先代の故・藤居静子さんが木材探しから設計までを行った、樹齢700年の丸柱をはじめとする総けやき造りの建物です。1階はショップと事務所、2階は板間の大広間で、ギャラリーやイベントスペースとして使われています。
ききあてコンテストに挑戦!ワンコインで試飲も
受付を済ませてお猪口を受け取り、「ききあてコンテスト」に挑戦。始めに1~5の番号札が置かれた酒を飲み、味や香りなどを覚えます。次にイ~ホの札が置かれた酒を飲み、5種類の酒を一致させるマッチング形式です。全問正解すると、新酒の四合瓶がもらえるとあって、みなさんの表情は真剣そのもの。
試飲コーナーでは、500円で「ちょこっと飲み」もできます。旭日のしぼりたて生原酒は「純米辛口」「うまくち」「にごり酒」の3種類。滋賀県出身で能登杜氏の西澤拓也さん自らが、お猪口に注いでくれます。にごり酒はシュワシュワと元気に発泡しています。
初しぼりの新酒以外にも、各種の酒を試飲できます。
近江牛ステーキや佃煮などの屋台コーナーもあり、お腹もいっぱいになります。また、人気だったのが、酒粕の詰め放題コーナー。袋からはみ出してもOKなので、山盛りにする方もいらっしゃいました!
NHKドラマのロケ地にもなった歴史ある蔵を見学
当イベントでは、2回の蔵見学も実施されました。NHKの連続ドラマ「甘辛しゃん」や、プレミアムドラマ「リキッド~鬼の酒 奇跡の蔵」のロケ地にもなった東蔵へ向かいます。大正時代に建てられた蔵で、国指定の登録有形文化財です。
蔵の案内は7代目の蔵元・藤居鐵也さんが担当。滋賀県産にこだわる酒米の話、酒造りの方法から日本酒の文化的価値まで、楽しくも熱い想いを語ってくれました。
蔵の内部には、祭礼に使う用具も置かれていました。藤居本家では、新嘗祭に使う御神酒を醸し、宮中へ献上しているそうです。
このイベント中、蔵では仕込み水もいただくことができます。愛知川(えちがわ)の伏流水で、とってもまろやかです。
藤居本家では、年末恒例の「新年迎酒イベント」が今年は12月30日(金)に開催されます。また、夏には「旭日縁日」なども行われています。歴史ある蔵とお酒を堪能しに、イベントに足を運んでみてはいかがでしょうか。
(文/天田知之)