みなさんこんにちは!
SAKETIMESライター兼名古屋で焼肉と日本酒という日本酒の新しいシーンの提案をしております。
「和牛焼肉じろうや 介」の渡邉貴都です。
今回は醴泉(れいせん)を醸している玉泉堂酒造株式会社を訪れました!!その様子をご紹介いたします!
地下水が豊富な町で醸される玉泉洞酒造
1806年(文化3年)に現在の岐阜県美濃国養老にて創業されました。その後1934年に現在の玉泉堂酒造会社が設立されました。
酒蔵周辺の環境は降雪雨量の多い伊吹山が西にかまえるため、地下水が豊富な町で、現在でも周辺の家では井戸水を飲用しています。
銘柄は大きく分けると2種類あります。1つ目が地元に向けた「美濃菊」2つ目が県外向けの「醴泉」です。
垢抜けて品格のある酒を目指す
過去には華やかな香りが立つカプロン酸エチル生成酵母を使用されていたそうです。その酵母の使用を廃止し、香りを抑えた「垢抜けて、品格のある酒」にシフトチェンジされたそうです。具体的に「垢抜けて、品格のある酒」とは何か。
・垢抜ける=洗練された透明感のある味。
・品格のある=酒自身に余裕と安らぎを感じさせる味。
を指します。
結果として、ほのかで上品な香りが立ち、味わいは山田錦中心とした酒造好適米100%使用によるキメの細かい味わい深い酒になります。
設備投資による品質の向上と安定
今回は印象的だった2点をご紹介いたします。
1, 限定吸水装置
日本酒作りの過程である精米したお米を洗い水を吸わせる洗米、浸漬作業。
この作業は高精白(精米歩合35~50%)の仕込みの場合は、蔵人の手作業で行います。
しかし、玉泉堂酒造株式会社さんは手洗米をそのままに機械化できないかと試行錯誤し、杜氏の考えのもと”限定吸水装置”を開発・導入するに至ったそうです。なんとこの装置を初めて導入したのが、玉泉堂酒造株式会社さんだそうです。
現在では、醴泉等、高精米のお酒こそ、手洗米にこだわっていますが、低精米のお酒や普通酒もこの装置の導入により高精米のお酒と同じレベルの洗米が可能になり、酒質が向上し安定したそうです!
2, 麹室の大改装
本年度、麹室の大改装をされました。
最終的には人が管理していますが、機械による徹底した温度と湿度の管理が可能になり、普通酒等でも大吟醸クラスのお酒と同じ工程で、こだわりのお酒造りが可能になったそうです。
挑戦し続ける酒造り
代表の山田敦さんは「今後は、本年度の反省を踏まえ、より軽く、超軟水を生かしたやわらかいお酒を造っていきたい。毎年同じことをせず、チャレンジしています。今後も、より柔らかくより上品なお酒を目指していきます。」と意気込んでいらっしゃいました。
玉泉堂酒造さんは酒質向上のため、積極的に設備投資をされたり、現状に甘んじることなく常に挑戦をされていらっしゃいました。今後も大注目の酒蔵ですね!
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