こんにちは!SAKETIMESライターの永木三月です。

普段は、『永木三月のテイスティングログ』というブログを拠点に、お酒の試飲会などの食べ物が集うイベント、おいしいお店の紹介をしています。また、定期的に「おいしいもの味覚鑑賞会」という食べ比べの会を開催しています。テイスティングの楽しさ、面白みを伝えることが、私の目標です!

こちらでは、日本酒と絡めて、魅力的な味わいをたくさん発信していけたらと思っています。よろしくお願いします!

さて今回は、日本酒料理シリーズ第3段!(第1弾では酒蔵の賄い料理から生まれたという「美酒鍋」、第2弾では江戸時代の調味料「煎り酒」を紹介しました)
テーマは、日本酒をたっぷり使った椀もの「すっぽん煮」です。

はじめに 〜 「すっぽん煮」とは? 

その名の通り、すっぽんの煮込み料理に由来する 1品です。

すっぽんは生臭いため、煮込み料理を作る際、大量の日本酒と生姜汁を使って仕立てます。そこから転じて、たっぷりのお酒でコクのある味に仕立てた煮込み料理を「すっぽん煮」と呼ぶようになりました。

というわけで、「すっぽん煮」の具材はもちろんすっぽんに限りません。弱火でじっくり煮込むということで、長時間煮込んでもぱさつきにくい、ゼラチン質の多い素材に適した料理法です。

ワインやビールに比べると、料理に置ける日本酒は、主役というより名脇役な印象は強いですが、今回紹介する「すっぽん煮」は、日本酒で作ってこそおいしい、旨味の詰まった料理です。

この記事ではそのレシピと、料理の模様をお届けします!

すっぽん煮のレシピ

《材料》(4人分)

・鶏もも肉  1枚
・ねぎ      1/2本
・豆腐     1/2丁
・生姜汁   小さじ1/2
・昆布だし 1+1/2カップ
・日本酒    1/2カップ

さまざまなレシピを参照していますが、今回紹介するのは非常にシンプルなレシピです。醤油やみりんもあえて使わず、塩だけで味をつけています。これを基に、好みの味にアレンジしてみてもおもしろいと思います。

日本酒は使う量も多いので安いもので良いですが、料理酒は避けましょう。きちんと日本酒というカテゴリーのお酒を使うのが大事です。

それでは作って行きましょう!

  《作り方》

1.下ごしらえ 

鶏肉は1口大に切って、熱湯にくぐらせて霜降りにしておきましょう。
(表面をさっと流すだけでも構いません。ぬめりなどを取るためです。)

豆腐とねぎは、鍋用の具材くらいの大きさに切っておきます。

生姜は親指大のものをすり下ろしてしぼり、生姜汁にしておきましょう。

2.煮汁を作る 

煮汁を作ります。日本酒と昆布だしを合わせて弱火で煮立てます。

昆布だしは事前に取っておかなくても構いません。その場合は、煮汁作りの段階で、日本酒、昆布、水を合わせて弱火で加熱し、沸騰直前に昆布を引き上げましょう。

日本酒と出汁は、今回1:3の割合で作っています。日本酒の量を増やして作ることもできますが、鶏肉は煮込むのに時間があまりかからないので、煮汁が酒臭くなりやすいです。日本酒の割合を増やす場合は、煮切ってアルコール分を飛ばしてから、出汁を合わせましょう。

3.鶏肉を煮る  

沸騰した煮汁に鶏肉を入れて煮ます。アクが出てくるので、こまめにすくいましょう。

4.その他の具材を煮込む  

鶏肉に火が通ったら、しぼっておいた生姜汁を入れて、塩で煮汁の味を整えます。

ねぎと豆腐も加えて、さっと煮込んだら完成です。

盛りつけの際に、白髪葱を盛りましょう。
日本酒が旨味を底上げしてくれるので、これだけでも十分おいしいですが、煮汁を漉すなどの一手間を加えることでさらにおいしくなります。もちろん薄口醤油やみりんなどで調味してもおいしいです。

 

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終わりに

いかがでしたでしょうか?

煮物というと醤油やみりんを使った甘辛い味付けのものがポピュラーですが、お酒を使った煮物にもまた別のおいしさがあります。日本酒は旨味を底上げしてくれるので、塩分が少なくて済み、あっさりとコクのある料理に仕上げることができます。

今回紹介した「すっぽん煮」は、その典型のような料理ですが、あまり知られている調理法ではないようです。普段の味付けに飽きたときには、ぜひ作ってみてください!

みなさんの、さらに豊かな日本酒ライフに貢献できれば幸いです!

 

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