「煎り酒」という調味料を知っていますか?

酒とはついていますが、煎り酒は飲むためのお酒ではなく、調味料の一種です。

和食に使われる調味料と言えば「さしすせそ」とよく言われるように、砂糖・塩・酢・醤油・味噌の5つが代表とされますが、煎り酒の役割として近いのは醤油でしょう。

煎り酒が和食の調味料として活躍していたのは、室町時代から、江戸時代中期頃までです。それ以降は、千葉の野田や銚子などが濃口醤油の生産地として台頭した影響もあり、煎り酒は和食の世界から姿を消していくことになります。

現在で煎り酒となると、一部の和食料理屋で用いられているくらいで、ごくごくマイナーな存在です。これを読んでいる方でも、実際口にしたことがない人がほとんどではないでしょうか。

ということで今回は、そんな江戸の調味料「煎り酒」の簡単な作り方と、煎り酒を販売している数少ないメーカー『銀座 三河屋』さんのサイトで紹介されている、ちょっとした煎り酒料理を紹介します!

煎り酒のレシピ

◎材料
日本酒 300cc
塩小さじ 1/3
梅干し 1個
鰹節 10g


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材料はたったのこれだけです。今回の煎り酒作りでは、かつお節は厚削りのものを使っていますが、普通のかつお節で大丈夫です。これでおおよそ150ccほどの煎り酒ができます。

日本酒は、スーパーで売っていた『沢の鶴 山田錦 純米酒』(332円/300cc)を使いました。もちろんこれでなくとも、手頃なものを使って良いと思います。

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それでは、さっそくレシピの紹介です!

①かつお節以外の材料を鍋に入れて中火にかけます。
梅は軽くつぶしておきます。入れるのは種ごとで大丈夫です。

②沸騰したら鰹節を投入し、火を弱めます。
今回は厚削りを使ったので、最初から鰹節を入れていますが、普通の薄い削り節を使う場合は、沸騰してから入れてください。

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③半量ほどまで煮詰めたら、常温で冷まします。
④キッチンペーパーか布でこせば完成です。
色はこんな感じになります。半量より少なく煮詰まったのでやや色は濃いめかもしれません。見た目は薄口醤油のようです。
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肝心なのは味ですが……煮詰められた日本酒の旨味と、かつおだしの香り、梅干しの酸味が利いていて非常においしいです!
醤油ほど香りが強くなく、味も柔らかくさっぱりしています。冷や奴やサラダに使っても、非常によく合いそうです。

 煎り酒レシピ「玉子かけごはん」(参照:『銀座 三河屋』「三河屋レシピ」

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◎材料
卵 1個
熱々のご飯 丼1杯分煎り酒 適量
わさび 適量

現代で煎り酒を作っている数少ないメーカー『銀座 三河屋』の紹介する玉子かけごはんのレシピです。レシピとは言っても、熱々のご飯に溶いた卵を入れかき混ぜるだけです。煎り酒はまさに醤油感覚で使えます。

元のレシピではわさびを使っていますが、ごまや海苔など好きなトッピングを合わせても美味しいです。

さいごに

いかがでしたでしょうか?

今回実際に作ってみて、「忘れ去られた調味料」という割に、煎り酒は食卓での使い勝手も案外良いように感じました。

というのも、和食は、醤油やみりん、砂糖を使うことが多いため甘辛い味に偏りがちです。煎り酒の酸味の利いた味わいは、副菜を始めとして活躍の機会がたくさんありそうな印象を受けました。そういう意味では、煎り酒の使い勝手は、醤油というより「ポン酢」に近いかもしれません。煎り酒の作り方に関しては、今回は非常に簡易なものを紹介しましたが、昆布や煎り米(焦がした生米)を使うもの古酒を使うものなど、様々なレシピがあるようです。
保存も利き、使い勝手も良い調味料なので、みなさまもぜひ一度作ってみてください!

みなさんのおいしい体験に出会う助けになれば幸いです。

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