ライターで酒匠のまゆみです。

料理研究家として、酒と肴の相性を考えながらレシピを考案していきます。今回も楽しんでいただけると嬉しいです。

さて、勝手に秋酒シリーズと名づけちゃおうかなと思っているひやおろし記事ですが、シリーズ第3弾は、前回に続き九州から選んでみました。長崎県の今里酒造より、渾身の1本。まさにこの時期に呑むに相応しいお酒です。

本日のお酒は、六十餘洲(ろくじょうよしゅう)純米 ひやおろし

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長崎県今里酒造株式会社の六条餘州。口に含んだ瞬間は程よい酸を感じ、その酸もすぐに旨味とコクと共にまとまっていきます。滑らかな口当たりのため、口内で穀物のまろやかな甘味が流れていき、旨味が心地よく残ります。少々フルーティーな香りが強いけれど、鼻抜けが良いのでさほど気になりません。熟成されたまとまりで、いつまでも余韻を感じていたいと思ってしまうほど。
封を空けたばかりより、ちょっと時間を置いたり空気に触れさせた方が丸みが出て良いバランスになるので、最初は片口などに入れて呑むのをおすすめします。

秋刀魚やきのこ、銀杏など秋の食材を思い浮かべるほど今の季節にぴったりな濃醇でとろみのあるこのお酒には、甘辛味の煮物を合わせてみましょう。

栗と鶏肉の旨辛煮

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材料 2人分

・栗                       10粒
・鶏もも肉         小1枚
・干ししいたけ    4個

(煮汁)
・みりん         大さじ2
・醤油             大さじ2
・豆板醤         小さじ1

作り方

1.  干ししいたけは1カップの水で戻しておく。
2.  栗は皮を剥き、さっと下茹でし、水気を切る。
3.  鶏肉は食べやすい大きさに切る。
4.  しいたけの戻し汁と鶏肉を鍋に入れ、火にかける。アクを取る。
5.  煮汁の調味料を加え、煮る。
6.  鶏肉に火が入ったら、栗としいたけを加え、煮汁が少なくなるまで煮る。

選んだ食材は栗。秋のお酒に合うのは定番ですが、特に六十餘州とは相性が良いようです。お酒の風味に似た食材を組み合わせ、濃い目に味付けしました。同調して更なるおいしさを感じることができるでしょう。多少アクセントを加えるため、豆板醤を入れたのもポイント。

お酒の保存は冷蔵庫が必須ですが、呑む1時間ほど前に冷蔵庫から出して常温に戻すと料理もお酒もお互いにおいしく感じることが出来ます。人肌燗かぬる燗まで温度を上げても旨味を味わえるという、なんとも優秀なお酒。
秋の夜長には、この六十餘州と栗の煮物で、家族や友人としっぽり語り合ってください!

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