7号酵母のルーツ蔵

真澄を醸す宮坂醸造1662年創業で高島藩の御用酒屋を務めていた長い歴史を誇ります。やはり、何といっても7号酵母」発祥の酒蔵として、日本酒ファンにはお馴染みではないでしょうか?

ここで酵母というものを改めて説明すると、自然界の植物、花の蜜、樹木、果物などあらゆる場所に棲む「菌」、すなわち「微生物」のことを指します。有機物(食物)に含まれる糖質を餌にしてアルコールと炭酸ガスに分解しながら分裂、成長していきます。その状態を「発酵」といい、日本酒もこの力を利用して古来から醸されてきました。

醸造技術の飛躍的発展に貢献の「協会酵母」

ですが、日本酒の造りに適した酵母はごくわずかで、自然任せで蔵付の野生酵母で造っていた明治時代までは腐造がつきものでした。そこで明治37年に設立された国税庁醸造試験所は優良酵母を探し出して「協会酵母」として全国の酒蔵に頒布する事業を始め、日本酒の製造技術が飛躍的に向上したのです。

7号酵母は、昭和21年(1946年)、醸造試験所である真澄諏訪蔵の発酵中の醪から発見された優秀な酵母。「醸造協会7号酵母」と命名されました。7号酵母は発見当初は華やかな香りが特徴でしたが、現在は、落ち着いた香りとバランスの取れた味わいで、派手さはなく、燗にも向く滋味あふれる味わいになるという評価が定着しています。9号酵母と人気を分けるポピュラーな酵母です。

スッキリとした癒しの酒

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さて、この純米酒は長野県産の美山錦とひとごこちを60%(自社精米)まで磨き、もちろん7号酵母で醸されています。
平成24年(2012
年)にインターナショナル・ワイン・チャレンジで銅メダルを受賞しています。純米酒ながら重さを感じさせず、米のうまみ、ふくよかさを感じながらもスッキリとした味わいです。冷やよりも常温、常温よりも燗でより落ち着いた米の旨みを感じられるでしょう。鍋や煮物、魚料理のつまみと合わせることを蔵元は推奨しています。

 

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