300年の歴史を誇る大手メーカー

1711年(正徳元年)初代・大坂屋長兵衛が、西宮の今津村で創業した「大関」。1884年に商標条例が発令され、それまでの銘柄名「万両」を改め「大関」として、大関ブランドの歴史が始まります。1945年、空襲によって本社施設のほとんどが破壊・焼失してしまう厄難に遭いましたが、これまで酒造りを途絶えさせることなく、幅広い消費者に清酒を提供してきました。

 「ワンカップ大関」で業界に革命

「大関」と聞くと「ワンカップ大関」の印象が第一にくるでしょう。「日本酒」という言葉から、同酒を思い浮かべる方も多いかもしれません。1級「ワンカップ大関」を発売したのが1964年10月。以来、ヒット商品となり今も発売され続ける超ロングセラーとなっています。業界初のワンカップ容器は、1合カップ清酒のスタンダードとなり、清酒業界だけでなく、焼酎などのさまざまな業界に普及しました。1979年9月には容器の開発と普及への功績に対し、石川弥八郎賞を受賞しています。1976年、パック酒を「はこのさけ」としていち早く販売したのも同社でした。

独自の「味醴製法」で生み出した新製品

日本酒の大手メーカーとして、新しい商品・技術開発に余念がない同社が、2015年9月、新製法「味醴(みらい)製法」を駆使し、販売したのが「純米酒 醴(RAI)」です。

同社は自社のユーザー調査で、30~40代の消費者には「少量の飲酒で満足できる、コクのある味わい」を求めるニーズがあり、また40代以下の若い日本酒好きは「飲みやすさ」を重視すると分析。「味わい深いコクと飲みやすさ」を兼ね備えた新しい酒を造ろうと試行錯誤を重ねたそうです。そして、2つのニーズに応えるため、古い文献を参考に独自の「味醴製法」を開発。「醴(RAI)」を生み出したとのことです。

ワインやブランデーを想起させる紫色のボトルが印象的。口に含むと、アルコールがやや強く感じられますが、その後、米由来の深いコクや旨みが口に広がります。まったりとしつつも、ピュアな酸が長い余韻を持って消えていきます。

燗をつけるのもおすすめです。燗にするとより米の旨みや甘味、コクが感じられ、しっかりした純米酒らしさが存分に味わえます。酸もシャープになりキレも良くなります。おしゃれなボトルに反して、中身は質実剛健。塩辛やたこわさ、ナマコやホヤ酢など、塩辛い珍味、乾き物などの酒肴にベストなお酒です。販売は4合瓶のみですが、1000円を切る手頃な価格。純米酒に興味のある若い世代から、日本酒を飲みなれたオールドファンまで楽しめるお酒といえるでしょう。

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