秋田県内初の全国清酒品評会受賞蔵

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秋田有数の酒どころ・湯沢市は、夏は暑く、冬は2m以上の雪に覆われる厳しい自然環境の地。しかし、その環境が良質の水に恵まれる要因となっています。栗駒山系の地下水から流れる皆瀬川は名水百選「力水」であり、両関酒造の仕込み水に使われています。両関酒造は明治7年(1874年)に創業。湯沢ではこれでも比較的新興の蔵なのですが、酒蔵の母屋と4つの蔵は県内初の国の登録有形文化財に指定されています。また、全国清酒品評会では秋田県内で初めて優等賞を獲得しています。

東西にまたがる大関になる願いを込め『両関』命名

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古くから銘酒には「正宗」の銘柄が多く、これは刀として東の大関に位置づけられます。西の大関は名刀「宗近」と呼ばれていたことから「東西両方の大関に君臨するよう『両関』と名付けよ」と刀好きや酒好きにアドバイスされ、「両関」と名づけられたと言われています。杜氏も自社で育成し品質第一の伝統精神が今に受け継がれています。その歴史の中で生み出したものが独自の低温長期醸造法。寒冷地の気候を生かした酒造りです。醪の最高温度を抑え、ゆっくり静かなに発酵させることでキメの細かい酒造りの技術を確立しました。業界発展のために、外部にも公開、東北の酒造りの発展に貢献しています。

ワイングラスがお勧めの純米酒

さて、この両関純米酒は秋田県産米「ゆめおばこ」を100%使用し、59%まで精米しています。両関はどちらかというと普通酒という印象が強かったのですが、近年、特定名称酒の酒質がどんどん上がっているという印象があります。蔵全体の石高は4393石と秋田県では大手だと思いますが、うち両関純米酒は110石の少量生産です。

商品企画書には「さわやかな香りと果実のような味わいが、口の中に広がるフルーティーな純米酒です」と書かれています。同蔵の広報から「冷やしてワイングラスで飲むのがおススメです」との回答をいただきました。たしかに、同銘柄は「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」のメイン部門で2014年、2016年度と最高金賞を受賞しています。合わせたいおつまみは「いぶりがっこ」「バッケ(秋田の方言でふきのとう)の天ぷら」「比内地鶏の焼鳥」などで味付けが濃い目のものが合うとのこと。一升瓶で2365円というコスパのよさも、左党にはうれしい晩酌酒となりそうです。

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