「古酒」というと、泡盛のクースやワインのヴィンテージを思い浮かべる人が多いかもしれません。

しかし、日本酒にも「古酒」という考え方が存在します。いったいどんなものを指す言葉なのでしょうか。

今回は「古酒」について解説いたします。

古酒の定義

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(出典:あいちや)

日本酒における「古酒」は、一般的にその年以前に造られたものをいいます。 たとえば、現在を平成29BY(酒造年度)とすると、平成28BY以前に造られた日本酒すべてが「古酒」に当たります。

2年以上熟成させたものを「大古酒」などと呼ぶこともありますが、そもそも「古酒」に関する明確な定義はありません。ちなみに、長期熟成酒研究では、「満3年以上蔵元で熟成させた、糖類添加酒を除く清酒」を"熟成古酒"と定義しています。

古酒の歴史

江戸時代頃まで、古酒は今よりも一般的なものでした。当時の文献には、お酒は長く寝かせたものほど貴重で、熟成年数が長くなるほど高値で取引されていたことも記されています。

しかし、明治時代に誕生した「造石税(ぞうこくぜい)」によって、古酒は姿を消してしまいました。

それまでは出荷量に応じた酒税を納めていましたが、「造石税」は造った量に対して課される税金。売上がどのくらいかに関係なく徴収されてしまうので、保管のコストがかかる古酒を扱う余裕がなくなってしまいました。また、当時の酒飲みたちは、酔うことを目的に酒を飲んでいたため、酒質の向上よりも、多くの量を造ることが求められていたのです。

このような歴史的背景から、古酒は日本酒の表舞台から姿を消すことになってしまいました。

しかし近年、酒販店や飲食店が独自に熟成させたものや、海中などの特殊な環境で保管された商品が見られるようになり、古酒が再び注目されるようになっています。

古酒の味わい

熟成する年数や温度などの環境によって、古酒の色や味わいは変化します。

現在、古酒として流通しているものの特徴は、

  • 琥珀色のように茶色がかった色
  • 紹興酒に似た、カカオやキャラメル、醤油などを思わせる味わい

です。

新酒に感じられる、フルーティーで華やかな香りやすっきりとした味わいとは異なり、骨太で味わい深い酒質のものが多いでしょう。

 

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