イタリア、トスカーナ州に在住のSAKETIMESライター永野薫です。

私の身の回りで起こっているイタリアでの日本酒事情について、みなさんにお伝えできればと思っています。

前回のバーテンダールカ・ピッキ氏に引き続き、先日フィレンツェで行われたイベントSAKÉ: IL MISTERO SVELATO~日本酒の秘密が明らかになる!」(※)でお会いした方へのインタビューをお届けします。
今回は、当イベントで監修・講師を見事に勤めあげ、イタリア人に本当の日本酒を伝えられたばかりの、フィレンツェ出身の蔵人、ジョヴァンニ・ムニッキさんへお話を伺いました!

※こちらの記事も併せてご覧ください。→「世界有数のバーテンダーに訊く!日本酒のイタリアでの可能性とは」

イタリア人蔵人が働くのは300年の歴史を誇る福井県の酒蔵

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(出典:美浜町観光協会)

ジョヴァンニさんが蔵人として活躍するのは、三宅彦右衛門酒造。
若狭湾と三方五湖に挟まれた、福井県三方郡美浜町の漁港街「早瀬」に据わって約300年。創業享保3年(1718年)の歴史あるこの蔵で醸される銘柄は「早瀬浦」です。

蔵入りして知る日本とイタリアの文化差

「6年、6シーズンかな。最初の数年はベテラン杜氏と働いていたこともあって、早朝5時に出勤、夕方5時に仕事が終わる。皆で“日本式”の、白ごはんと味噌汁と…といった朝食をゆっくり時間をかけてとる。何と言っても4人でやっている小さな蔵だから、週6日、ある時は7日働くこともあったよ。」

イタリア人からしたら理解不能な働き方だろうね、とジョヴァンニさん。イタリアでは朝食はカプチーノに、ブリオッシュなど甘いパンが主流。さっと食べて1日を始めるので、ゆっくり時間をかけての日本式の朝食は印象に残っているようです。

「働くようになったきっかけは、たまたま。奥さんの家族の紹介で。酒造りの経験といえばイタリアの実家で自家製の自分たち用のワインを造っていたくらいで、最初は本当に何も分からず、常にメモ帳を持ち歩いて全部書き込んでいたね。」

全てが未知の世界でしたが、歴史ある蔵で4人という少人数のため、ほぼ全ての工程に参加しているということで、最初は酒蔵内での日本語(さらに方言!)でのコミュニケーションにも苦労したというジョヴァンニさんですが、酒造りに関しての知識は本物のプロの領域です。

「早瀬浦」または三宅彦右衛門酒造の酒造りの特徴は?

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©FIRENZESAKE

「山廃で純米…、いろいろあるけれど、越の雫という福井県産の酒造好適米を使っているところかな。」

酒蔵で働く以前、地元自治体の日本語コースを受講したり、さまざまなイベントに参加してみたというジョヴァンニさん。米作りの体験をしたこともあるそうです。早瀬浦のための越の雫を栽培する水田の写真も見せてもらいました。

早瀬浦はどこで手に入るか、とお聞きしてみたところ、東京や大阪で手に入るだけでなく、東京のアンテナショップ型居酒屋「熟成漁場 福井県美浜町」を紹介していただきました。早瀬浦と一緒に福井県美浜町のおいしい魚介なども一緒に楽しめる場所とのことです。SAKETIMESでも紹介されていました!
大人気の「ご当地酒場シリーズ」から福井県美浜町公認のアンテナショップ型居酒屋が東日本橋タワーに登場!!

SAKETIMESの読者にひとこと!

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「早瀬浦に来て、試してみて!」

そのとおりですね、東京で楽しめるとはいえ、やはりその地のお酒はその地の空気と一緒にいただくことが、最高の贅沢だと思います。

日本の生活は18年目を迎えられ、若狭での生活、日本とイタリアの文化の差、すべて全身で受け止められてきた彼のお話は実に興味深かったです。
それでも毎年夏のイタリア、フィレンツェでの休養は欠かせない!とジョヴァンニさん。機会があれば、喜んで今後もイタリアで日本酒を広める活動に関わりたいとのことでした。

私も帰国した際には「早瀬浦」を訪ねてみたいものです!

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