2024年5月9日(木)の午後2時20分ごろ、日本酒「千瓢(せんぴょう)」の醸造元である、愛知県愛西市の水谷酒造にて、日本酒を加熱処理する火入れの作業をしていた際に出火し、酒蔵や家屋が全焼しました。
現在はすでに鎮火し、近隣の住民も含め、死傷者はいなかったとのことです。
水谷酒造の公式サイトの「お知らせ」には、5月14日(火)付で、今回の火災に関するお知らせが掲載されています。
お知らせによると、酒蔵としての今後については未定とのこと。公式サイトで順次報告されるそうで、水谷酒造への直接の問い合わせは控えましょう。
まだ今後のことも何も決められていないというのが現状ですが、現在現場の片付けを進めており、目の前のできることを1つずつ進めているという状態です。
現状すぐご用意できる商品もなく、皆さまにはご心配・多大なご迷惑をおかけすることになってしまい、大変申し訳ありません。
今後について等お伝えできる事が定まって参りましたら、改めてHPを通じてご報告させて頂きます。どうか今しばらくお待ち頂けますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
(水谷酒造の公式サイトより引用)
愛知県酒造組合が義援金口座を開設
今回の火災に関して、水谷酒造と同じ愛西市にある山忠本家酒造の代表 山田昌弘さんを中心に、愛知県酒造組合による義援金口座が開設されました。
◎水谷酒造 義援金口座
- 金融機関名:三菱UFJ銀行
- 支店名:笹島(ささしま)支店(支店番号:677)
- 口座番号:普通口座 0007008
- 口座名:愛知県酒造組合
水谷酒造の当時の状況について
同じ愛知県にある酒蔵・澤田酒造の6代目で、水谷酒造の蔵人からの第一報を受けて、現地に駆けつけたという澤田薫さんに、当時の状況について伺いました。
— 当時、現地はどのような状況でしたか。
火災が発生した当日の午後3時ごろ、水谷酒造の蔵人から「酒蔵が燃えている」「どうしたらいいか」という電話がありました。私たちも2020年に麹室の火災被害を受けたことがあったので、最初に頼ってくれたのかもしれません。第一報を受けて、私が現地に到着したのが午後6時30分ごろでした。
私の夫が1時間ほど早く現地に着いていましたが、交通規制がかかり、酒蔵にはすぐに入れなかったと聞いています。火災はいったん落ち着いた後だったのですが、風が吹いていた影響か、ところどころで再燃していたそうです。
— 酒蔵の方々とお話ししましたか。
代表取締役の水谷政夫さん、蔵人の後藤実和さん、外部役員の立松豊大さんとお話しすることができました。被害の大きさを考えると、かける言葉もない状況でしたが、「ひとりではないから大丈夫」「みんながついているよ」と伝えました。
水谷酒造の方々は「もう一度、酒造りをしたい」と話していました。澤田酒造としても、水谷酒造から求められることがあれば、全力でサポートしたいと考えています。
いま、水谷酒造に必要な支援について、澤田さんは「酒蔵も家屋も全焼してしまっているので、私自身も無力感がある」とした上で、「もっとも必要なのは、金銭的な支援ではないか」と話します。
現在は、鎮火後の片付けなどを進めているとのことですが、作業が完了した後にも、多くの課題が残っています。その際に必要な資金があるかどうかは、精神的にも非常に重要です。
水谷酒造の関係者が一日でも早く、落ち着いた日常を取り戻すことを願いながら、無理のない範囲で支援をご検討ください。
(文:SAKETIMES編集部)