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蔵元とともに奥能登の美酒に酔いしれる──五反田で開催された「奥能登酒蔵学校 season 3 vol.5」をレポート!

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石川県能登半島北部、"奥能登"の酒や食の魅力を伝えるソーシャルプロジェクト・奥能登酒蔵学校。最終回となる「season 3 vol.5」は「日本酒スローフード 方舟 アトレヴィ五反田店」にて、奥能登の食材を使った料理と各蔵の新酒を味わうという内容。プロジェクトを手がける6蔵元が揃い踏みで、イベントを盛り立てました。

奥能登6蔵の魅力は、蔵元の人柄とその絆

本年度の奥能登酒蔵学校は、奥能登の6酒蔵と、「日本酒スローフード 方舟」などを運営する(株)セオリーの協力で開催されてきました。セオリーが手がける飲食店は、北陸地域の酒や食に特化しているのが特徴。これは代表の両親がそれぞれ長野と富山の出身で、その地域の魅力に感銘を受けたことがきっかけなのだそう。

今回の奥能登酒蔵学校をサポートする、(株)セオリー 企画部マネージャーの川名祐輔さんに、イベントに先立ってお話をうかがいました。

─ 今シーズンから本格的に「奥能登酒蔵学校」へ関わるようになったそうですが、なぜこのプロジェクトへの参加を決めたのですか?

「セオリーに入社して、現地へ赴き、奥能登の魅力を実感したことが大きいです。また、能登には弊社が手がけている宿泊施設があります。『東京』と『能登』、それぞれの土地で『地酒』を通して交流できる場所を提供することはセオリーの企業理念に一致すると思い、今年から本格参入しました。奥能登の酒は、新潟県などと比べてまだまだ流通量が少ないため、『方舟』からもっと広めていきたいですね」

─ 奥能登6蔵の魅力とは何でしょう。

「蔵元同士の仲がとても良いのが印象的で、人柄にも惹かれました。酒はしっかりした味わいをもつものが多く、食中酒に向いています。地元の食材、特に海の幸によく合いますよ」

「蔵元自身もこのイベントを楽しんでいます」という川名さんの言葉通り、イベントが始まる前から、奥能登6蔵のメンバーはすでにハイテンション!

和やかで楽しい雰囲気が伝わってきますね。

さぁ、いよいよ「奥能登酒蔵学校 Season 3 vol.5」のスタート!

今回のラインアップは、春の食材と新酒というフレッシュな組み合わせが中心。料理も酒もどんな味わいなのか、期待が高まります。

櫻田酒造の純米大吟醸で乾杯!

乾杯酒は櫻田酒造の「能登桜 純米大吟醸 生」。参加者も、待ってましたとばかりに「乾杯!」の声を大きく響かせます。

今回は酒のラベルが間に合わず、なんと手書きで用意。ホテルでせっせと書いたらしく、なんとも愛嬌のあるラベルです。こんなものを見られるのも、奥能登酒蔵学校ならではでしょう。

料理も、能登を感じさせる品が続々と!

お椀は冷製仕立て。車麩のクルトンがポイントです。

乾杯が終わると、蔵元たちが酒を持って各テーブルを回ります。

松波酒造「大江山」のあらばしりもこの時期ならでは。しっかりした飲み口でキレの良い酒でした。

東京開催には初参加となった蔵元、中島酒造店。

「おやじの手造り」という銘柄の純米吟醸は、お父様である前蔵元が杜氏になって初めて醸した酒だそう。ラベルの字も本人の手書きで、中島酒造店を代表する一本です。

本日のお造りはブリと真鯛。
これに合わせるのは日吉酒造店の酒が良いかもしれません。

今期から杜氏として蔵を支えることになった蔵元・日吉智さんが初めて醸した酒。自分が呑みたい酒を目指したそうで、お造りによく合うキレの良い食中酒に仕上がっていました。

中盤の料理は菜の花や鰆など、春らしい食材を使ったものが中心。

白藤酒造店が醸す「奥能登の白菊」は、中盤で旨みの広がりがあり、余韻も長いのが印象的。燗にするとふくよかさが増しておすすめです。蔵元にお願いしてぬる燗で提供してもらうと、参加者も「美味しい!」と感激していました。

能登合鴨のロースト。洋風メニューも日本酒と相性良し。

数馬酒造の「Chikuha N 特別純米」。地元の農家と大学生が無農薬で育てた米を使った、にごり酒です。そのうちのひとりは、なんと数馬酒造に就職したのだとか!

日本酒の種類が多いため、蔵元の話を聞いてメモをする熱心な参加者もいました。

中島酒造店の「おやじの手造り」がお父様の酒なら、「遼」は現蔵元が初めて醸した一品。自分の名前から一文字とった、山田錦を60%精米した純米吟醸です。

中島酒造店から、蔵でしか飲めない貴重な酒も!

そんな中島酒造店から、この日のための特別な酒が提供されました。

「花おぼろ」と名付けられた、可愛らしい桃色のにごり酒。通常は火入れして出荷されますが、今回は生のまま。発泡しており、勢いよく吹き出します。

このパフォーマンスに「おおっ!」と歓声が!
生の「花おぼろ」は蔵へ行かないと呑めないため、とても貴重な体験です。

可愛らしい色ですが、味わいはすっきり淡麗。キレが良く、料理とも合わせやすいです。

〆の食事は氷見うどん。

こうして、奥能登酒蔵学校は最後まで大盛況で終了したのでした。

「奥能登酒蔵学校」最終回を終えて...

参加者に意見をうかがうと、みなさんが「楽しかった!」「良かった!」と上機嫌。充実したイベントになりました。特に、奥能登への現地ツアーに参加した経験のある方は、自分が仕込み体験をした酒が飲めたうれしさもあるようで、その美味しさは格別だったと言います。

蔵元たちは、奥能登酒蔵学校を始めてからの3年はあっという間だったと口をそろえます。お客様との距離も縮まり、蔵に来てもらう機会も増えたので、「各蔵の特徴を、伝えていってもらえたらいいな」と語っていました。

セオリーの川名さんは「せっかく繋がった蔵元たちとの絆。これで終わりにしたくないので、まだまだ何か続けていければと思っています」と今後への想いを語ってくれました。

能登の宿泊施設を利用した企画や、田植えに稲刈り・収穫・酒の仕込みなど、年間通して酒造りに関わる企画なども検討していきたいのだそう。

夏酒、ひやおろし、そして新酒。日本酒を味わうには最高のタイミングで開催してきた、今シーズンの奥能登酒蔵学校。1年を通して大成功を収めたと言えそうですね。

奥能登酒蔵学校はいったん終わりとなりますが、彼らの成長はまだまだとまりません。今後も、奥能登から目が離せませんよ!

(取材・文/まゆみ)

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