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夏のお料理と五橋をたのしむ宴!体験レポート

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台湾在住のライター・謝ひかりです。「ド・ラブ日本酒」な視点から、台湾の文化や地元・山口についてお伝えしています。

え~、7月7日といえば「たなばた」のお節句ですな。
暦のうえではセプテンバー、ですな。
とはいえ、今年はとくに梅雨明けの遅かった西日本。
ぬるい空気と重たい湿気の合間に涼風を感じながら口に運ぶキリッと冷えた日本酒は、ほんっとに格別なんですな。
そんなとき、お酒の1口1口が結婚したくなるようなワンダフルな肴がある、と想像してごらん(by・ジョンレノン)。
はい、もうヨダレものなんですな。もうダラダラなんですな。
あとはお若い人だけで、ってかんじで。

という訳で、以前もご紹介した山口のステキ酒屋「ムラタ酒店」(参考記事:『山口のおすすめ地酒をムラタ酒店で聞いてみた!』)の企画で、山口県自慢の銘酒と美食の宴が七夕の夜に開催されました。

「男は度胸、お酒は五橋!」

お酒は岩国の老舗蔵元・酒井酒造の協力により、当日発売が開始された初呑み切り・蔵出しなど、とっておきの銘酒「五橋」から6種。和らぎ水(チェイサー)にも「五橋‐仕込み水」が登場と、五橋尽くしの夕べとなりました。

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ここに、山口における料理文化を背負ってたつ名割烹・湯田温泉「ひさご」が、それぞれの「五橋」銘柄を引き立てるべく腕を振るった模様が素晴らしかったので、このたびレポートいたします。

先付けはうなぎの旨みと斗瓶取りの爽やかさを堪能

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「五橋」の蔵元・酒井酒造の大下さんより「男は度胸、お酒は五橋!」という乾杯の音頭で始まりとなった、この宴。

山口県は現在、県をあげて酒米の生産に取り組んでいることもあり、地元産の酒米を使った酒造りをする酒蔵が増えています。
山口オリジナルの酒米「西都の雫」を35%まで磨いて出来た1杯目「大吟醸斗瓶取り」、常温に近い状態で口にふくんで、最初の「うざく」をいただきます。
ヤングコーンと長芋の歯ごたえがアクセントとなって鰻の旨味がとけだし、「五橋」の爽やかさと一緒なったところに茗荷と海苔が薫ります。さらに花紫蘇が涼を運んで、う~ん幸せ。

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続けて八寸は、地元・山口の美味満載。
当日に地元の漁師さんより仕入れた川海老をはじめ、瀬戸内海と日本海の両方に挟まれた自然豊かな山口の、地の利をふか~く味わえる品々です。
とりわけ、鮎の卵と白子を綺麗に洗って塩辛にしたものは素晴らしく、これだけで750ml 1本いけますというぐらいのマリアージュ!

お造りと、原酒のフルーティーな味わいの和合が見事

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山口といえば長州、長州といえば「長州ファイブ」(明治維新の際に活躍した五人の長州藩士のこと)。
赤コーナー、「Z」と書いて「ファイブ」と読ませる「五橋 Zシリーズ」の純米吟醸原酒は、純米原酒なのできっちり米らしくもフルーティな味わい。
対して青コーナー、脂の乗ったアイルランドのマグロに、地場で採れるサッパリしたキスの焼き霜、透明感のあるヒラメ。一発一発をきっちり決めてきます。
とくにこの日の、ひらめのお造りがすごかった。ビロードのような舌触りと爽やかな酒の旨みとの和合は見事という他なく、山口が地元で良かった!と思わせられた、ひとときでした。

酒蔵秘蔵のお酒と五橋の蔵生まれの麹でつけた西京焼きは相性抜群

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生熟成とは、生酒でありながら保存に気をつけながら熟成させたものです。香りはフレッシュに保たれたまま、味わいはよりふっくらとしています。
対するは、五橋「玄米甘酒」に漬けた「さわらの西京焼き」。同じ酒蔵の麹でそだったもの同士、相性も抜群です。
ちなみに、五橋の字が反対に印刷されたラベルは、「酒蔵秘蔵のお酒」のしるしとのことでした。

この上ない贅沢。貴重な限定酒と黒毛和牛ロースとうにの盛り合わせ

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この日の目玉「初呑み切り」。
酒蔵にとっても酒屋にとっても、今年のお酒の出来をみるための貴重な限定酒です。奥ゆかしい甘さと酸味を感じつつフレッシュで、今年の五橋も旨い!
それにあわせる黒毛和牛と雲丹に至っては、胸ぐらを掴まれて
「オラオラオラオラ!うまいだろ!」
と身体をぶんぶん揺すられているような、サディスティックなおいしさだったことを付け加えておきます。

原酒のぬる燗で活きる鱧しゃぶの旨みが最高

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旨い酒はぬるめの燗で、また違う表情をみせてくれます。
それにこの時期のさっぱりした、きちんと骨切りされたハモを合わせたら言わずもがな。見事に溶け合います。

上品なたちうおとデザート系日本酒の香りのハーモニー

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ラストの1本、貴腐ワインのようなデザート系日本酒。
甘くとも日本酒だからこそ合わせられる、食事は近海産の上品なたちうおが香ります。発泡清酒ねねといちじくのゼリーの清涼感が〆にぴったり!

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さいごに頂いたのは、日本酒をつかったいちじくのゼリー寄せ。
どうでしょう、この清涼感、美感。

ここまで呑んで来ると、結構酔っ払っているわけですよ。
そこにあずき系とか、ねっとり舌に残るアイスとかを出さないところに、「のんべえ」という人種をがっちり心得た料理人の徳の高さを感じるわけで。

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あいにくの雨夜だったけれど、美酒と美食はみごとに天の川で手を取り合った様子です。
よく呑み、よく食べ、もう「マッドマックス~怒りのデスロード」のウォー・ボーイズばりに
「What a beautiful day!」
とか叫びながらシルバーのスプレーを口にシュ~!としたくなりました(観てない方はぜひ劇場へ!)。

自然豊かな山口県。
正直言って、昔は「けっ、田舎が」とか思ってたのですが(すみません)、最近は帰省のたびに、おいしいお酒や魚や自然が楽しめる山口って素晴らしいなあと感じています。

とはいえ山口に限らず、各地の日本酒がどんどんおいしくなっている現在。

それぞれの土地で、地元の料理人が地酒にあわせて地場の食材を使って腕を振るう素晴らしいお値打ちイベントが日々開催されているのだろうなあと想像し、台湾に住んでいることが少しばかり口惜しくなった夜でした。

みなさまも、お近くの日本酒イベントを探して足を運んでみてはいかがでしょうか。

割烹 ひさご

山口県山口市湯田温泉3-7-14
営業時間: 昼 11:3014:00/夜 17:3022:00 
定休日: 不定休
 TEL:083-922-0761

村田酒店
山口県山口市上堅小路75
 TEL:083-922-3840

酒井酒造
山口県岩国市中津町1丁目131
TEL:0827-21-2177

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栖来 ひかり

道草者。愛日本酒のライター、エッセイスト。山口県出身、京都暮らし10年、2006年より台湾在住。お気に入りの日本酒は、出身地である山口県の「長陽福娘」。著書に、台湾の地形歴史散歩本『台湾、Y字路さがし。』(台湾・玉山社/2017)がある。