初めまして。東京の中野青二才と言うお店で日々お酒と人にまみれながらお仕事をさせて頂いています、小椋道太と申します。
稚拙な身ながら日本酒の縁あって、SAKETIMESにて、これから度々記事を寄せさせて頂くことになりました。どうぞよろしくお願いします。
◎日本酒バル「中野 青二才」についてはこちらをご覧ください。
「日本酒に関わる人が好き」青二才オーナー小椋道太さんにインタビュー
日本酒って知れば知るほど面白い
今回こう言ったお話を頂き、改めて「やっぱりすごいな」と思うんです。
日本酒って。
何がすごいって、日本酒って知れば知る程に楽しいお酒なんです。
そしてその楽しいの周りに楽しい人がたくさん居て、みんなで日本酒をもっと楽しもう!と、どんどん人と人が繋がって行く不思議な力があるお酒なんです。
僕ですね、2007年9月に阿佐ヶ谷と言う町で青二才というお店を出したんです。阿佐ヶ谷と言う町、中央線では珍しく南北にどーん!と背の高いケヤキ並木が並ぶ中杉通りと言う大通りが走っていて、とても素敵な雰囲気の町なんです。
そんなイメージに惹かれて当時27歳の僕は、阿佐ヶ谷駅から徒歩6、7分の住宅街の中にお店を出したんですが、もうね、この町、駅から3分もすれば飲食店がほとんど無くなり、そこをうろうろし、今夜の飲み屋をどこにしようかな、なんて言う人は皆無なんです。
僕ら青二才だし
何も出来ないから、何でもやってやろう!
などと息巻いてみたものの
若かったこともあり、不安だったんでしょうね。
少しでも多くの人に来てもらうためには沢山の物を用意しておかなきゃ、と思ったところから、このお店はとにかくお酒の酒類が豊富です。ビール、ワイン、カクテル、焼酎、ウイスキー、その他テキーラやらホッピーやらまで。ドリンクメニューの数だけでも300種類ぐらいはあるんじゃないでしょうか。
その分厚いドリンクメニューの1コンテンツとして日本酒も存在していました。
日本酒は「人と人を結びつける」
ではなぜここまで日本酒と言うものに惚れ込んだのか。
中野に日本酒のお店を出そうと決意するまで5年。
日々同じ場所で同じものを売っていると、飽きて来ちゃうんです僕。
なので自然とそのドリンクメニューのコンテンツごとに色々と掘り下げて行くのです。当初はこだわりの無いワインだったものが、ワインを勉強し掘り下げ、日本のワイナリーなどにも足を運んだり、ビールやカクテルも様々な試飲会で勉強したり、各コンテンツごとにこだわりみたいなのが強く出始めて来た時、日本酒と言うものだけは他アイテムと全く違う方向性を見せたのです。
日本酒のことを知ろうとすると、必ず人に出会うのです。
本やネットを見て勉強したりもしましたが、自分では特に何もしていないのですがアンテナをちょっと日本酒に傾けるだけで自然と人と繋がるのです。
それは酒屋さんだったり、酒蔵さんだったり、他の飲食店の方だったり、お客さんだったりしますが、阿佐ヶ谷のお店で日本酒をもうちょっと力入れてみようとなった直後から、わわわーっと自然と人と出会うようになっていました。元来、寂しがりやなので人と出会ったり、自分以外の人の話を聞くのが大好きな僕は日本酒と言うお酒に関して、寂しさや孤独感が一切無い不思議な感覚を覚えました。
僕がたまたま日本酒、だったのかもしれませんが
僕は日本酒の持つ、人と人を結びつける力を確かに感じたのです。
それ以降、日本酒と一緒に仕事をすることが楽しくなっていったのです。
言葉にすると難しいですが、お酒は飲食店にとって商品です。商品は物であるはずで、そこには意志のある『人間』と、意志の無い『物』と言う大きな壁があるにもかかわらず、人と繋げてくれる日本酒が僕は大好きだー!となってしまったのですね。
きっと酒蔵さんも、酒屋さんも、飲食店さんも、お客様もそう思っている人が少なくないはずです。日本酒全体を好きになってしまう人が、ですね。
僕もその一部の人間です。
長くなりましたがそんなご縁の一つとして今回こうやってSAKETIMESで書かせて頂いけるのは、お世話になっている日本酒についてもっと好きな人が増えたら、その一環のお手伝いさせて頂けたらと思っています。青二才の若輩者としてはなはだ僭越(せんえつ)ではございますが、これからちょくちょくと、日本酒と人について書かせて下さい。どうぞよろしくお願いします。