日本酒好きが高じて、純米酒と懐石料理の店を営んで、
私の日本酒の考え方やお店での取り扱いを簡単に伝えさせていただ
今回は「ブラインドテイスト」をお伝えさせていただきます。
視覚から得られる情報は、味覚をも変えてしまう
◎視覚から得られる情報
お酒を飲むときは、
どんな銘柄なのかな?
酒米は?
精米歩合は?
日本酒度は?
などなど。
ラベルの文字やデザインを楽しんだり、
しかし意外に、
先入観が味を決めていることがあるのです。
以前、お店にいらしたお客様に、こんな飲み方をしていただきました。
同じ「十四代」という銘柄のお酒を2本用意しました。
※厳密には、同じタンクで同じDNAを持っていても(同じ工程を経たお酒であっても)、
その2本の十四代を、1本は銘柄が分からないようにブラインドで飲んでいただきました。
そして、もう1本は銘柄を見せて飲んでいただきました。
目の前で同じグラスにそれぞれ注いで飲んでいただくと、全員十四代のラベルが見える方が「おいしい」と感じるとおっしゃいました。
有名銘柄でなかなか手に入らない十四代は、
そんな手に入らないほどの人気のあるお酒や、
でも2つとも同じお酒なのです。
舌から得られる情報ではなく、
意外かも知れませんが、
◎視覚以外から得られる情報
また、味わいを左右しているものは視覚だけではありません。
「料理やお酒の香りを感じる嗅覚と唇に触れた感覚や歯
さらに、「お酒を注ぐときのトポトポーと瓶から注がれる音や、
これらの触覚や味覚、その他の要素が幾重にも重なって味覚が形成されるのです。
ブラインドテイストで、新しい味わいを発見できる
◎飲む前もお酒を楽しむ
視覚(瓶からの情報)を遮断することで、
ただ、自分ひとりではなかなか難しいので(ブラインドした人が自分なので分かってる)何名か集まる飲み会などで行うのがいいと思います。
ブラインドテイストで口に含む前には以下の点に注意します。
・注ぐときの音
新酒など瓶内発酵しているのならシュワシュワっと泡立ち音。
・注がれたお酒の色。
透明度。お酒のタイプにもよりますが、熟成していくと色づく。
透明→淡い黄色→黄色→黄金色→茶色っぽい黄金色→茶色。
他には、オリ、濁り、泡など。
・グラスから立ち上る、香り
まずは、グラスを動かさず(香りが逃げる)鼻を近づけ、香りを楽しむ。
さらに、グラスを回転させ空気を含ませた香りも楽しむ。(意図的に空気を含ませ酸化を進めて、いい香りにする。)
◎お酒を咀嚼する
以上の3つを感じとったら、さあ、やっと飲めます。
少量のお酒を口に含みます。
お酒を飲んだ後は、鼻から息を出します。
そうすることにより飲み口だけでななく、
よくワインのテイスティングに「くちゅくちゅ」「じゅるじゅる」と音を立てながらテイスティングをしているのを見たことはありませんか?
あれは、
日本酒も同じことができるので、
ただ、飲食店で食事中に他の人がいる前でなかなか「くちゅくちゅ」や「じゅるじゅる」と音を立てるのは気が引けますよね。
そんなときは、咀嚼してください。
噛むのです。
「え? お酒って液体なのですが、噛むのですか??」思いませんでしたか?
料理などは個体で噛まなければ、飲み込むことができないのですが、
例えば、
わさびや醤油をつけ、口に入れて咀嚼します。噛むことにより、歯ごたえや食感を感じて、
お酒もぜひ、そうしてみてください。
咀嚼することで、
また、透明なグラスでなければお酒の色が分からなくなり、
今回のまとめ
・ブラインドテイストで瓶からの情報を遮断して飲んでみると、
・お酒は液体ですが、咀嚼して飲んでみる。
ぜひみなさんも日本酒をさまざまな角度で楽しんでみてください。
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